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『栄養サポートチームって聞くけど、管理栄養士は実際に何をしているの?』と気になっている方も多いですよね。実習でNSTの見学が入って、慌てて調べている学生さんもいるかもしれません。
結論から言うと、栄養サポートチーム(NST)は、医師・看護師・薬剤師・管理栄養士などが集まって、入院患者の栄養管理を一緒に進めるチームです。管理栄養士は、その中で食事と栄養の専門家として提案する役を担います。
この記事を読めば、チームの中での職種ごとの役割と、1回の活動の流れがイメージできるようになります。
栄養サポートチーム(NST)とは?
栄養サポートチームは、栄養管理が必要な入院患者に対して、複数の職種がチームを組んで栄養状態の改善に取り組む仕組みです。NSTは、英語の Nutrition Support Team の頭文字です。
厚生労働省の資料では、栄養サポートチームは「医師・看護師・薬剤師・管理栄養士等からなるチーム」を作り、栄養管理が必要な患者の栄養状態の改善に取り組むものと説明されています。
診療報酬で評価されるようになったのは、平成22年度の改定からです。その後も対象や要件の見直しが続いています。
| 年度 | 主な動き(厚生労働省の資料より) |
|---|---|
| 平成22年度 | 栄養サポートチームの評価が診療報酬に新設 |
| 平成26年度 | 医療資源の少ない地域向けに、専従の要件をゆるめた評価が新設 |
| 平成30年度 | 専従の要件を見直し |
| 令和2年度 | 結核病棟・精神病棟も対象に加わる |
『チーム医療って言葉は聞くけど、ふわっとしていて分かりにくい』という方もいますよね。厚生労働省の検討会の報告書でも、NSTはチーム医療の代表的な例として挙げられています。
つまり、ひとつの職種だけで抱えず、それぞれの得意分野を持ち寄るやり方の典型なんです。病院の管理栄養士の仕事の全体は、病院の管理栄養士の仕事|入院患者の栄養管理とチーム医療で紹介しています。
どんな患者さんが対象になる?
厚生労働省の資料では、対象の例として次のような患者が挙げられています。
- 栄養スクリーニングで、栄養に問題があると判定された患者
- 口から食べることや経腸栄養への移行を目指して、静脈栄養や経腸栄養を行っている患者
どの患者さんをどうやって拾い上げるかは、各病院が手順として決めて運用しています。入院基本料の要件でも、栄養管理の手順をあらかじめ作っておくことが求められています。
看護師・栄養士・医師、チームの中での役割分担
NSTの中身は「誰が何を見ているか」で考えると分かりやすくなります。管理栄養士は、食べる量や食事の形、栄養の量を組み立てる係です。
厚生労働省の通知「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」では、管理栄養士を「栄養管理・栄養指導や栄養状態の評価・判定等の専門家」と位置づけています。
これをもとに、チームの中での役割を職種ごとの表にしてみました。表の右端は、管理栄養士がその職種とどんな話をするかの例です。
| 職種 | チームでの主な役割 | 管理栄養士とのやりとりの例 |
|---|---|---|
| 医師 | 治療方針を決め、栄養管理の指示を出す | 食事の内容や形態の変更を提案する |
| 看護師 | 病棟で毎日の様子を見て、食べた量や変化を伝える | 食事の量や食べる時の様子を聞き取る |
| 薬剤師 | 薬や栄養剤の面から助言する | 栄養剤の使い方について意見を合わせる |
| 管理栄養士 | 栄養状態を評価し、栄養の量や食事の内容を提案する | 計画の原案を作り、チームで話し合う |
| そのほかの職種 | 病院によって、歯科医師などが加わることもある | 食べる機能に関わる情報を共有する |

『看護師と栄養士って、仕事がかぶらないの?』と思う方もいるかもしれません。実は、毎日ベッドのそばで様子を見ている看護師からの情報が、栄養の計画を立てる時の大事な材料になるんです。
例えば、こんなやりとりが病棟で交わされます。
「今日は朝ごはんが半分くらいしか進んでいませんでした」
「では、食べやすい形に変えられないか、先生に相談してみますね」
管理栄養士が医師に提案できること
同じ通知では、管理栄養士を積極的に活用したい業務として、次のようなものが挙がっています。
- 一般食について、医師の包括的な指導を受けて、食事の内容や形態を決めたり変えたりする
- 特別治療食について、医師に食事の内容や形態を提案する
- 患者への栄養指導を、医師の包括的な指導のもとで適切な時期に行う
- 経腸栄養を行う時に、医師に経腸栄養剤の種類の選択や変更を提案する
ただ、栄養士法では、療養のための栄養の指導を行う時は主治の医師の指導を受けることが定められています。管理栄養士が一人で決めるのではなく、提案して合意を作っていく立ち位置です。
NSTの1回の活動はどう進む?
厚生労働省の資料に書かれている活動内容を並べると、話し合いと回診、計画づくり、実施とフォロー、終わった時の評価、という流れになります。
「チームで動く」と言われても、毎日何をしているのか想像しにくいですよね。資料に書かれている活動を、順番に並べるとこうなります。
- 栄養状態の改善についてのカンファレンスと回診を、週1回程度開く
- その結果をふまえて、主治医・看護師などと共同で「栄養治療実施計画」を作り、患者に説明して渡す
- 計画に沿って進め、様子を見ながら適宜フォローアップする
- 治療が終わった時や退院の時に結果を評価し、「栄養治療実施報告書」として記録して渡す

転院する時は、報告書を紹介先への情報提供書に添えることになっています。病院を移っても、栄養管理の中身が途切れないようにするためです。
各段階で管理栄養士がすること
流れのそれぞれで、管理栄養士がどう関わるかを表にしました。
| 段階 | 管理栄養士がすること | 準備しておくもの |
|---|---|---|
| カンファレンス | 栄養状態の評価を報告し、栄養の量を提案する | 食べた量や体重の記録 |
| 回診 | ベッドのそばで食事の様子を確かめる | 前回からの変化のメモ |
| 計画づくり | 栄養の量や食事の形の案を出す | 計画の原案 |
| フォロー | 食事の内容を調整し、看護師と様子を共有する | 毎日の摂取量の記録 |
| 評価・報告 | 結果をまとめ、報告書づくりに加わる | 計画と結果の比較 |
カンファレンスの場で、数字だけを読み上げて終わってしまうことがあります。「なぜこの量を提案するのか」を一言添えると、他の職種にも伝わりやすくなります。
NST管理栄養士の仕事、ふだんの病棟業務とどう違う?
ふだんの栄養管理は担当の管理栄養士が中心に進めますが、NSTでは複数の職種が同じ場で話し合って計画を決めます。
『NSTの管理栄養士って、特別な仕事なの?』と感じる方もいますよね。実際には、日々の栄養管理の延長にある仕事です。
入院基本料の要件では、入院した時に医師・看護師・管理栄養士が共同で栄養状態を確認し、必要な患者に栄養管理計画を作ることになっています。NSTは、その中でもより手厚い支援が必要な患者さんを、チームで支える場だと考えるとつかみやすいです。
- 入院時に栄養状態を確かめる
- 栄養管理計画を作り、定期的に評価する
- 栄養食事指導や食事内容の調整をする
- 複数の職種で週1回程度話し合う
- 栄養治療実施計画をチームで作る
- 終了時に報告書としてまとめる
令和4年度の診療報酬改定では、特定機能病院の病棟に常勤の管理栄養士を置いて栄養管理をする体制の評価も新設されました。病棟の管理栄養士の仕事として、栄養スクリーニングやミールラウンド、医師・看護師との情報共有などが挙げられています。
こうした病棟での毎日の積み重ねが、NSTでの提案の土台になるんです。管理栄養士の仕事全体は、管理栄養士の仕事内容|病院・施設・行政でのちがいもあわせて読んでみてください。
NSTに関わりたい人がいまからできる準備
NSTに入るために、まずは病院で栄養管理の経験を積むことが土台になります。そのうえで、学会や職能団体の認定を目指す道もあります。
NSTに関係する認定には、いくつかの団体のものがあります。調査で確認できた範囲を表にしました。
| 認定の名前 | 認定している団体 | どんな位置づけか |
|---|---|---|
| NSTコーディネーター | 日本病態栄養学会 | 学会の認定制度の一つ |
| 静脈経腸栄養(TNT-D)管理栄養士 | 日本栄養士会 | 特定分野別認定制度の一つ |
| 病態栄養専門管理栄養士 | 日本病態栄養学会 | 医療チームに参画する栄養の専門家として学会が与える資格 |
それぞれの細かい条件は団体ごとに決まっていて、変わることもあります。最新は各団体の公式サイトで確かめておきましょう。
キャリアアップの資格の全体像は、専門管理栄養士・認定管理栄養士とは?キャリアアップの資格で紹介しています。
- 実習でNSTを見学できたら、管理栄養士が何を報告しているかをメモする
- 食べた量や様子を、数字と言葉の両方で記録するクセをつける
- 栄養食事指導の流れを覚えて、患者さんへの説明に慣れておく
- 看護師や薬剤師がどんな情報を欲しがっているかを聞いてみる
栄養食事指導の進め方は、栄養指導とは?管理栄養士が行う栄養相談の流れを読んでおくとつながりやすいです。
栄養士ガイド
栄養士・管理栄養士の学校や講座を比べたい方へ
栄養士・管理栄養士をめざす道は、大学・短大・専門学校(養成施設)の選び方で大きく変わります。働きながら管理栄養士国家試験をめざす人には、試験対策の講座という選択肢もあります。気になる学校や講座の資料を取り寄せて、実習や国家試験の支え方、通いやすさを同じ物差しで見比べるのが近道です。比べ方のポイントをまとめました。
無料学校・講座の資料請求と比べ方を見る栄養士の免許につながるのは、都道府県知事などが指定した養成施設です。指定の有無は学校の案内や公的機関の情報で確認できます。
よくある相談:NSTについての疑問に答えます
NSTについての相談は、チームに入るための条件や、実習・転職での活かし方に集まりやすい傾向があります。
ここでは、よく見かける相談を要約して、調べて分かった範囲でお答えします。
NSTに入るには、管理栄養士の資格だけでは足りない?
『管理栄養士になっても、別の認定がないとNSTに入れないの?』という相談です。
厚生労働省の資料では、NSTは医師・看護師・薬剤師・管理栄養士などで編成するチームと書かれています。誰をメンバーにするか、認定をどう扱うかは、病院の方針や制度の要件によって変わります。
まずは目指す病院の求人や説明会で、NSTへの関わり方を聞いてみてください。認定は、経験を積んだあとに目指すものと考えておくと焦らずにすみます。
実習でNSTを見学したあと、何を質問すればいい?
『見学のあとの質問タイムで、聞くことが尽きてしまった』という相談もよくあります。そんな時は、次のような聞き方が使えます。
- 「カンファレンスの前に、どんな情報を準備していますか」
- 「看護師さんからの情報で、特に大事にしているのは何ですか」
- 「提案が通らなかった時は、どう伝え方を変えていますか」
自分が見た場面とつなげて聞くと、話がぐっと深まりますよ。
転職のとき、NSTの経験は強みになる?
『病院の管理栄養士としてNSTに関わった経験は、次の転職で役に立つ?』という相談です。
経験がどう評価されるかは、求人を出す職場によって変わります。ただ、他の職種と話し合って計画を作った経験は、チームで動く職場ならどこでも説明しやすい材料です。
「どんな情報を集めて、何を提案したか」を自分の言葉で話せるように、ふだんから振り返っておきましょう。
例えば面接では、こんな伝え方ができます。
「週1回のカンファレンスで、食べた量の記録をもとに食事の形を変える案を出していました」
役職や件数を盛るより、自分がチームの中で何を担っていたかを具体的に話すほうが伝わりやすいですよ。転職の進め方は、管理栄養士・栄養士の転職|経験を活かせる職場の選び方も参考にしてみてください。
よくある質問
栄養サポートチームとNSTは同じものですか?
はい、同じものです。NSTは英語の Nutrition Support Team の頭文字で、日本語では栄養サポートチームと呼ばれます。
栄養士でもNSTに関わることはありますか?
厚生労働省の資料では、チームのメンバーとして管理栄養士が挙げられています。栄養士がどう関わるかは病院の体制によって違うので、勤め先で確かめてみてください。
NSTのカンファレンスはどのくらいの頻度で開かれますか?
厚生労働省の資料では、カンファレンスと回診を週1回程度開くことが活動内容として示されています。実際の曜日や時間は病院ごとに決まっています。
NSTで管理栄養士が作る書類はありますか?
チームで「栄養治療実施計画」を作り、終了時や退院時には「栄養治療実施報告書」として記録します。管理栄養士は栄養の量や食事の内容の部分を中心に関わります。
まとめ
- 栄養サポートチームは、複数の職種で入院患者の栄養管理に取り組むチーム
- 管理栄養士は栄養状態を評価し、栄養の量や食事の内容を提案する役
- 看護師の毎日の観察が、栄養の計画づくりの大事な材料になる
- 活動はカンファレンスと回診、計画、フォロー、評価・報告の順に進む
- まずは病棟での栄養管理の経験を積み、認定は次のステップとして考える





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