栄養士になるには?資格の取り方を3ステップで解説

栄養士になるには何をすればいいかを3ステップで解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が厚生労働省・文部科学省などの公的機関や日本栄養士会など公式団体の公開情報、読者の声を調べて独自に執筆しています。

『栄養士になりたいけど、どんな学校に行けばいいの?試験はあるの?』と迷っている方も多いですよね。高校生でも社会人でも、最初につまずくのはここなんです。

結論から言うと、栄養士になるには「養成施設に入学する」「卒業する」「免許を申請する」の3ステップです。栄養士には国家試験がなく、学校を卒業して申請すれば免許が受けられます。

この記事を読めば、自分に合う学校の種類と、入学から免許証が届くまでの流れが分かります。

目次

栄養士になるには?まずは3ステップの全体像

先に結論

栄養士の資格は、厚生労働大臣が指定した栄養士養成施設を卒業し、都道府県知事に免許を申請して受けるものです。試験に合格して取る資格ではありません。

栄養士資格の取り方を、3つのステップに分けると次のとおりです。

栄養士になるまでの3ステップ
  1. 栄養士養成施設(大学・短大・専門学校)に入学する
  2. 決められた科目と実習を修めて卒業する
  3. 都道府県知事に栄養士免許を申請し、栄養士名簿に登録される

栄養士法では、栄養士を「都道府県知事の免許を受けて、栄養士の名称を用いて栄養の指導に従事することを業とする者」と定めています。免許は、養成施設で2年以上、必要な知識と技能を身につけた人に与えられます。

『試験がないなら、簡単に取れる資格なの?』と思う方もいるかもしれません。実は、試験がない代わりに、学校で学ぶ年数と科目がしっかり決められているんです。

栄養士になるまでの3ステップを並べた図解

栄養士と管理栄養士はなり方が違う

ここで混ざりやすいのが、管理栄養士とのちがいです。栄養士は都道府県知事の免許、管理栄養士は厚生労働大臣の免許で、管理栄養士には国家試験があります。

比べる点栄養士管理栄養士
免許を出すところ都道府県知事厚生労働大臣
国家試験なしあり(年1回以上)
取り方養成施設を卒業して申請国家試験に合格して申請
名簿都道府県の栄養士名簿厚生労働省の管理栄養士名簿

どちらも名称独占の資格で、資格のない人がその名前を名乗って仕事をすることはできません。2つの違いをもう少し詳しく知りたい方は、栄養士と管理栄養士の違いも読んでみてください。

ステップ1 栄養士養成施設に入学する

学校選びの前に知っておきたいこと

栄養士の資格が取れるのは、国から栄養士養成施設として指定された学校だけです。どの種類の学校を卒業しても、取れる栄養士の資格は同じです。

「栄養」や「食」が名前に入った学科でも、養成施設でなければ栄養士の資格は取れません。学校を調べる時は、まず養成施設かどうかを確かめておきましょう。

養成施設に入学できるのは、大学に入学できる資格を持つ人です。高校を卒業した人(見込みを含む)なら、年齢に関係なく目指せます。

学校は4つの種類から選ぶ

全国栄養士養成施設協会の案内では、養成施設の種類は次のように分かれています。

学校の種類修業年限卒業後に取れるものこんな人に合いやすい
大学(管理栄養士養成施設)4年栄養士免許と管理栄養士国家試験の受験資格管理栄養士まで一気に目指したい人
大学(栄養士養成施設)4年栄養士免許栄養と一緒に幅広く学びたい人
短期大学2年栄養士免許早く働き始めたい人
専門学校2年・3年・4年栄養士免許実習や就職の支援を重視したい人

厚生労働省の資料では、令和8年4月時点で栄養士養成施設(管理栄養士養成施設を除く)は128施設、管理栄養士養成施設は151施設とされています。

2年で卒業できる短大や専門学校は、早く現場に出られるのが良いところです。ただ、管理栄養士をめざす時は、卒業後に実務経験が必要になる点は知っておきましょう。

管理栄養士までの年数は学校の年限で変わる

『あとで管理栄養士も取りたくなったらどうなるの?』と気になる方も多いですよね。管理栄養士国家試験の受験資格は、卒業した学校の修業年限によって、必要な実務経験の年数が変わります。

卒業した学校国家試験までに必要な実務経験
2年制の栄養士養成施設栄養士免許を取ってから3年以上
3年制の栄養士養成施設栄養士免許を取ってから2年以上
4年制の栄養士養成施設栄養士免許を取ってから1年以上
4年制の管理栄養士養成施設不要(卒業見込みで受験できる)

実務経験として数えられるのは、病院や学校、給食施設などで「栄養の指導」に関わった期間です。どの職場が当てはまるかは、受験する年の厚生労働省の施行公告で確かめておきましょう。

例えば、2年制の短大を出て病院の給食の現場で働く場合は、3年以上の実務経験を積んでから受験する流れになります。遠回りに見えても、現場を知ってから試験に向かえるのは強みです。

学校ごとの特徴は、栄養士の専門学校の選び方や栄養士の短大で学ぶことでくわしく比べています。

『どの学校がいいか分からない』時の決め方

『大学と短大と専門学校、結局どれがいいの?』という声はとても多いです。答えは人によって変わるので、次の3つを順番に考えてみてください。

学校の種類を決める3つの質問
  • 将来、管理栄養士まで取りたいか
  • 何年なら学校に通えるか(学費と生活の面で)
  • 家から通える範囲に、希望の種類の学校があるか

管理栄養士まで取りたい気持ちが強いなら、4年制の管理栄養士養成施設がいちばん近道です。早く働きたいなら、2年制で栄養士になり、働きながら管理栄養士をめざす道もあります。

ステップ2 科目と実習を修めて卒業する

卒業すること自体が資格の条件

栄養士は、学校で決められた単位をすべて取って卒業することが資格の条件です。授業と実習を一つずつ積み上げていくイメージです。

養成施設では、栄養学だけでなく、食べ物のこと、体のしくみ、調理、給食の運営などを学びます。座学に加えて、調理や献立づくりの実習も多いのが特徴です。

また、栄養士法施行規則では「給食の運営」の校外実習を1単位以上行うこととされています。学校給食センターや事業所、保育所などで、実際の給食の現場を体験します。

『実習って、料理が得意じゃないとついていけない?』と不安な方もいますよね。実習は学ぶための場なので、入学時点で上手である必要はありません。

ただ、包丁の扱いや衛生の基本は、入学前から少しずつ慣れておくと気持ちが楽になります。家で料理を手伝う時間を作っておくのもおすすめです。

よくある失敗

「卒業さえすればいい」と単位の取りこぼしを軽く考えるケースです。必修の単位が足りないと、卒業も資格も先に延びてしまいます。

在学中に受けられる「栄養士実力認定試験」

在学中には、全国栄養士養成施設協会が行う栄養士実力認定試験を受けることもあります。自分の知識がどのくらい身についたかを知るための試験で、国家資格ではありません。

この試験に落ちたからといって、栄養士の免許が取れなくなるわけではありません。結果を復習に活かす、という使い方がいちばん役に立ちます。

ステップ3 都道府県に免許を申請する

申請しないと「栄養士」にはならない

卒業しただけでは、まだ栄養士免許は持っていません。都道府県知事に申請して、栄養士名簿に登録されてはじめて栄養士になります。

栄養士免許は、都道府県知事が栄養士名簿に登録することで与えられ、栄養士免許証が交付されます。申請先は都道府県ごとに決まっているので、自分の住所地の窓口を確認しておきましょう。

ここでは東京都の公式案内を例に、申請の中身を見てみます。他の道府県は窓口ごとに書類や手数料が違うことがあるので、住んでいる地域の案内で確かめてください。

項目東京都の例
申請できる人住民票の住所が都内の人
申請方法電子申請・窓口・郵送の3種類
主な書類申請書、本人確認書類、卒業証明書、単位履修証明書、戸籍抄(謄)本など
手数料5,600円
交付まで書類を受け取ってから10日前後

卒業証明書と単位履修証明書は、卒業した学校で発行してもらう書類です。卒業前後は手続きが重なるので、学校からの案内をよく読んでおくと安心です。

申請の細かい流れは、栄養士免許の申請方法でまとめています。

高校卒業から免許証が届くまでのタイムライン

2年制なら、入学から約2年で栄養士に

2年制の短大・専門学校なら、高校を卒業した春に入学し、2年後の春に卒業して免許を申請します。4年制なら、その流れが2年後ろにずれます。

ここが、ほかの解説ではあまり見かけないポイントです。「いつ、何をするのか」を月ごとに並べてみると、栄養士になるまでの道のりがぐっと身近になりますよ。

2年制の学校に進む場合を例に、時期の目安を表にしました。学校によって実習の時期は違うので、あくまで目安として見てください。

時期の目安やること準備しておきたいこと
高校3年の夏〜秋オープンキャンパス・出願養成施設かどうか、通学時間を確かめる
高校3年の冬〜春入試・入学手続き入学前に包丁や家事に慣れておく
1年目の春〜冬基礎の科目と調理の実習生活リズムをつかみ、課題をためない
2年目の前半給食の実習・校外実習実習先でのあいさつや身だしなみを整える
2年目の後半就職活動・卒業の準備実習で感じた「働きたい場所」を言葉にしておく
卒業前後卒業証明書などをそろえる免許申請の書類を早めに用意する
申請後免許証の交付を待つ東京都の例では10日前後で交付

4年制の大学なら、この流れが4年分になります。管理栄養士養成施設であれば、4年生の冬に管理栄養士国家試験を受けることもできます。

高校卒業から栄養士免許証が届くまでの流れを時期ごとに並べた図解

21歳から、30代からでも間に合う?

『高校を出てすぐ進学しなかったけど、今からでも栄養士になれる?』という方もいますよね。養成施設の入学資格は「大学に入学できる資格」なので、年齢の上限は決められていません。

社会人から目指す時は、学校に通う期間の生活費や仕事との両立が課題になります。社会人からのルートは、社会人から栄養士になるにはでくわしく紹介しています。

通信や夜間で栄養士資格は取れる?

今は昼間の学校だけ

全国栄養士養成施設協会の案内では、栄養士養成施設はすべて昼間部の学校で、通信教育や夜間部の学校は指定されていません。

『働きながら通信で栄養士の資格が取れたらいいのに』と考える方も多いはずです。ただ、栄養士養成施設指導要領でも、夜間部や通信教育による栄養士の養成は認められていないとされています。

通信講座で栄養の知識を学ぶことはできますが、それだけで栄養士の免許は取れません。ここは誤解しやすいところなので、講座を申し込む前に確認しておきましょう。

制度が変わる動きもある

令和8年7月の厚生労働省の委員会資料には、夜間部を2028年度から設置できるようにすることを目指す「案」が載っています。通信制は引き続き検討とされています。決まったことではないので、最新は厚生労働省の発表で確かめてください。

栄養士がいま求められている理由

同じ資料では、栄養士養成施設の卒業者数や、栄養士の仕事に就く人の数が、平成28年から令和7年にかけて半減したとされています。一方で、栄養士の有効求人倍率は約4倍で推移しているそうです。

働く人が減る一方で、現場で必要とされ続けている資格だということが分かりますよね。資格を取ったあとに働く場所は、病院、学校、保育園、介護施設、会社の食堂など、とても幅広いです。

栄養士ガイド

栄養士・管理栄養士の学校や講座を比べたい方へ

栄養士・管理栄養士をめざす道は、大学・短大・専門学校(養成施設)の選び方で大きく変わります。働きながら管理栄養士国家試験をめざす人には、試験対策の講座という選択肢もあります。気になる学校や講座の資料を取り寄せて、実習や国家試験の支え方、通いやすさを同じ物差しで見比べるのが近道です。比べ方のポイントをまとめました。

無料学校・講座の資料請求と比べ方を見る

栄養士の免許につながるのは、都道府県知事などが指定した養成施設です。指定の有無は学校の案内や公的機関の情報で確認できます。

免許を取ったあとの最初の一歩

免許を受けたら、いよいよ栄養士として働き始めます。最初の職場では、献立を作る、食材を発注する、給食の現場で衛生を管理するといった仕事から覚えていく人が多いです。

『学校で習ったことが、すぐ現場で使えるか不安』という声もよく聞きます。実は、校外実習で見た現場の流れが、そのまま最初の仕事の助けになることも多いんです。

実習先で気づいたことや、楽しかった場面をメモしておくと、就職活動の志望動機にも使えます。2年目の実習は、未来の職場選びの下見だと思って臨んでみてください。

栄養士になりたい人のよくある相談

公的な情報の範囲でお答えします

知恵袋などで多かった相談から3つを選び、公式の案内をもとに考え方をお伝えします。

相談1 大学や専門学校に通わずに栄養士の資格を取る方法は?

『学校に通わずに、もっと手軽に栄養士の資格を取る方法はないの?』という相談です。費用や時間のことを考えると、そう思うのは自然ですよね。

結論から言うと、今の制度では養成施設を卒業する以外の方法はありません。栄養士法で、免許は養成施設で2年以上学んだ人に与えると決まっているからです。

学校に通う費用が心配な方は、学費だけでなく奨学金や通学時間もあわせて比べてみてください。いくつかの学校の資料をまとめて取り寄せると、比べやすくなります。

相談2 通信講座で栄養士の資格は取れる?

『カロリー計算や食事のことを勉強したいので、通信講座で栄養士を取りたい』という相談もあります。

通信講座で学ぶこと自体はとても良いことです。ただ、通信教育の学校は栄養士養成施設として指定されていないので、栄養士の免許にはつながりません。

「知識を身につけたい」のか「栄養士として働きたい」のかで、選ぶ道が変わります。働きたいなら養成施設、知識を深めたいなら講座、と分けて考えてみましょう。

相談3 21歳からでも栄養士になれる?

『21歳だけど、今から学校に入って栄養士になれる?』という相談です。

養成施設には年齢の上限がないので、21歳からでも十分に目指せます。2年制の学校なら、入学から約2年で卒業して免許を申請できます。

まわりの年齢が気になる方もいるかもしれませんね。学校の説明会で、社会人や年上の学生がいるかを聞いてみると安心につながります。

学校選びで見ておきたいこと
  • 栄養士養成施設として指定されているか
  • 何年で卒業でき、管理栄養士の受験資格はどうなるか
  • 通学時間と学費、実習の時期
見落としやすいこと
  • 名前に「栄養」があるだけで養成施設と思い込む
  • 通信講座で免許まで取れると考える
  • 卒業後の免許申請を後回しにする

学校選びは資料をそろえて比べるのが近道

比べる材料を先に集める

学校の種類が決まったら、気になる学校の資料をいくつか取り寄せて、同じ目線で比べてみるのがおすすめです。

学校のホームページだけだと、見せ方がそれぞれ違うので比べにくいですよね。資料を手元に並べると、学費や実習、就職の支援などを同じ目線でチェックできます。

資料で確かめておきたいこと
  • 栄養士養成施設か、管理栄養士養成施設か
  • 卒業までの年数と、学費の総額
  • 校外実習の時期と実習先の種類
  • 卒業生がどんな職場に就いているか
  • オープンキャンパスや相談会の日程

資料の取り寄せ方と見比べるポイントは、栄養士・管理栄養士の学校を資料請求で比べる方法でくわしく紹介しています。

養成施設の一覧は、全国栄養士養成施設協会の「養成施設を探す」でも調べられます。

よくある質問

栄養士になるには、試験に合格する必要がありますか?

栄養士には国家試験がありません。栄養士養成施設を卒業し、都道府県知事に免許を申請して栄養士名簿に登録されると、栄養士になれます。

栄養士資格の取り方は、学校の種類で違いますか?

大学・短大・専門学校のどれを卒業しても、取れる栄養士の資格は同じです。違うのは、学ぶ年数と、管理栄養士国家試験を受けるまでに必要な実務経験の年数です。

栄養士の免許は、卒業したら自動で届きますか?

届きません。自分で都道府県の窓口に申請する必要があります。東京都の例では、電子申請・窓口・郵送の3つの方法があります。

通信教育や夜間の学校で栄養士になれますか?

今は、通信教育と夜間部の学校は栄養士養成施設として指定されていません。夜間部については国で検討が進んでいるので、最新は厚生労働省の発表で確認してください。

栄養士の資格を取ったあと、管理栄養士も目指せますか?

目指せます。栄養士免許を取ったあと、卒業した学校の修業年限に応じて1年から3年以上の実務経験を積むと、管理栄養士国家試験を受けられます。

何歳まで栄養士を目指せますか?

養成施設の入学資格は大学に入学できる資格なので、年齢の上限は決められていません。

まとめ

この記事の要点
  • 栄養士になるには、養成施設に入学し、卒業して、免許を申請する3ステップ
  • 栄養士には国家試験がなく、都道府県知事の免許を受ける
  • 大学・短大・専門学校のどれを出ても、栄養士の資格は同じ
  • 通信教育や夜間部の学校は、今は養成施設として指定されていない
  • 卒業後は、自分で都道府県に免許を申請する

栄養士になりたい気持ちが固まったら、まずは通える範囲の養成施設を調べるところから始めてみてください。栄養士という仕事の全体像は、栄養士とは?でも紹介しています。

栄養士ガイド

栄養士ガイド 編集部

栄養士・管理栄養士の仕事内容、資格の取り方、管理栄養士国家試験、病院・保育園・学校・介護施設・行政など職場ごとの働き方を、公的機関の公開情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

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