栄養士と管理栄養士の違い|資格・仕事・なり方を比べる

栄養士と管理栄養士の違いを資格・仕事・なり方で比べる記事のアイキャッチ

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『栄養士と管理栄養士、名前は似ているけど何が違うの?』『進路を決めたいのに、どっちを目指せばいいか分からない』と迷っている方も多いですよね。

結論から言うと、栄養士と管理栄養士の違いは「免許を出すところ」「国家試験の有無」「任される仕事の範囲」の3つです。栄養士は都道府県知事の免許、管理栄養士は国家試験に合格して受ける厚生労働大臣の免許です。

この記事を読めば、両者の違いが表でひと目で分かり、自分がどちらを目指すと合っているかを判定表で確かめられます。

目次

栄養士と管理栄養士の違いを一覧で比べる

先に結論

栄養士は養成施設を卒業して申請すればなれる資格です。管理栄養士は、そのうえで国家試験に合格してなる資格で、療養中の人への栄養の指導など、より専門的な仕事を任されます。

まずは、栄養士と管理栄養士の違いを項目ごとに並べてみます。

比べる点栄養士管理栄養士
根拠の法律栄養士法栄養士法
免許を出すところ都道府県知事厚生労働大臣
国家試験なし管理栄養士国家試験に合格が必要
学ぶ場所と年数栄養士養成施設で2年以上管理栄養士養成施設なら4年
名簿都道府県の栄養士名簿厚生労働省の管理栄養士名簿
法律上の主な仕事栄養の指導療養のための栄養の指導、一人ひとりに合わせた高度な栄養の指導、特別な配慮がいる給食管理と施設への指導
名称独占ありあり

いちばん大きな違いは「国家試験」

栄養士には国家試験がありません。厚生労働大臣が指定した養成施設で学び、卒業したら都道府県知事に免許を申請します。

管理栄養士は、管理栄養士国家試験に合格して、厚生労働大臣から免許を受けます。この「試験があるかどうか」が、2つの資格を分けるいちばん大きな点です。

免許の手続きにも違いがある

免許の申請先や手続きも違います。東京都の案内を例に比べてみると、次のようになっています。

手続き栄養士(東京都の例)管理栄養士(東京都の例)
申請先都道府県都道府県の窓口を通して厚生労働大臣へ
申請方法電子申請・窓口・郵送窓口・郵送
費用手数料5,600円収入印紙15,000円分
交付までの目安書類が届いてから10日前後2〜3か月

手数料や窓口は都道府県によって違うので、申請する時は住んでいる地域の案内を確かめてみてください。

名称独占はどちらも同じ

栄養士も管理栄養士も、資格を持つ人だけが名乗れる「名称独占」の資格です。違反すると30万円以下の罰金と決められています。

それぞれの資格の基本は、栄養士とは?仕事内容・資格の取り方・管理栄養士との違いと管理栄養士とは?できること・栄養士との違いをやさしく解説で解説しています。

仕事内容の違いは「任される範囲」に出る

同じ職場でも役割が分かれることがある

栄養士と管理栄養士は、同じ職場で一緒に働くことも多い資格です。違いが出るのは、療養中の人への栄養の指導や、管理栄養士を置くことが決められた場面です。

『結局、働いてからやることは同じなんじゃないの?』と思う方もいますよね。実は、職場によって違いの大きさがかなり変わります。

職場栄養士管理栄養士
病院給食の管理など。食事療養部門の責任者にもなれる入院患者の栄養管理、栄養食事指導、栄養サポートチーム。入院の要件として常勤1名以上の配置が求められる
学校学校給食栄養管理者になれる。栄養教諭の二種免許状の基礎資格になる学校給食栄養管理者になれる。栄養教諭の一種・専修免許状の基礎資格になる
保育園献立づくりや食育献立づくりや食育
特別養護老人ホーム栄養士か管理栄養士を1人以上置く基準の対象同じく対象。栄養ケア計画を中心になって作る
健診のあとの保健指導担当できる範囲は限られる特定保健指導の初回面接や支援計画づくりを担う
大きな給食施設置くよう努める施設が中心一定以上の規模では置くことが決められている

同じ現場で働く時の分担の例

例えば、大きな病院の栄養部門で働く場合を考えてみます。栄養士は献立や食材の発注、衛生管理など給食を回す仕事を中心に受け持つことが多くなります。

管理栄養士は、それに加えて病棟で患者さんの栄養状態を確かめたり、栄養食事指導をしたりします。職場の中での会話は、こんな感じです。

「今日の昼食、形を変えた食事が3人分増えます」
「わかりました。病棟の先生からの指示を確認して、献立に反映しますね」

保育園や学校では違いが小さめ

保育園の場合、国の保育所保育指針では「栄養士が配置されている場合は、専門性を生かした対応を図ること」と書かれています。指針の中では、栄養士と管理栄養士を分けた役割は書かれていません。

学校でも、学校給食の栄養を受け持つ「学校給食栄養管理者」には、栄養士と管理栄養士のどちらの免許でも就けます。ただ、栄養教諭の免許状を取る時は、持っている資格で取れる種類が変わります。

『保育園で働きたいなら、栄養士で十分?』と思いますよね。仕事の中身だけを見ればそう言える場面も多いのですが、募集によっては管理栄養士を条件にしていることもあるので、求人ごとに確かめておきましょう。

健康増進法で決められた配置の違い

継続して1回100食以上か1日250食以上を出す施設は「特定給食施設」と呼ばれます。こうした施設には、栄養士か管理栄養士を置くよう努めることが決められています。

一方、医学的な管理が必要な人に1回300食以上か1日750食以上を出す施設などでは、管理栄養士を置かなければなりません。規模の大きな施設ほど、管理栄養士が求められる場面が増えるということです。

なり方の違い:学ぶ年数と試験

栄養士は最短2年、管理栄養士は最短4年

栄養士は2年制の短大や専門学校を卒業すれば資格が取れます。管理栄養士は、4年制の管理栄養士養成施設を卒業して国家試験に合格するのが最短のルートです。

なり方の違いを、手順で並べるとこうなります。

栄養士になるまで
  1. 栄養士養成施設(大学・短大・専門学校)に入学する
  2. 2年以上学んで卒業する
  3. 都道府県知事に免許を申請する
管理栄養士になるまで
  1. 管理栄養士養成施設で4年学ぶ、または栄養士として実務経験を積む
  2. 管理栄養士国家試験を受けて合格する
  3. 厚生労働大臣の免許を申請し、名簿に登録される
栄養士と管理栄養士のなり方の違いを並べた図解

栄養士から管理栄養士を目指すルート

栄養士として働きながら、管理栄養士国家試験を目指すこともできます。必要な実務経験は、卒業した養成施設の修業年限で変わります。

卒業した学校国家試験までに必要な実務経験
4年制の管理栄養士養成施設いらない
4年制の栄養士養成施設1年以上
3年制の栄養士養成施設2年以上
2年制の栄養士養成施設3年以上

学ぶ中身の違い

栄養士養成施設では、栄養士として必要な知識と技能を2年以上かけて身につけます。栄養士法施行規則では、学校給食センターや事業所、保育所などで「給食の運営」の校外実習を1単位以上行うことになっています。

管理栄養士を目指す場合は、さらに国家試験の9科目に向けた力が必要です。厚生労働省が公表している試験科目は次のとおりです。

  • 社会・環境と健康
  • 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
  • 食べ物と健康
  • 基礎栄養学と応用栄養学
  • 栄養教育論と臨床栄養学
  • 公衆栄養学と給食経営管理論

これに応用力試験を加えた200問が出題されます。栄養士の学びをベースに、病院や地域で使う知識まで広げていくイメージです。

くわしい進め方は栄養士から管理栄養士になるには|実務経験と受験の進め方で紹介しています。

合格率は学んだルートで大きく違う

厚生労働省の発表では、令和8年の第40回試験の合格率は全体で47.6%でした。区分別では、管理栄養士養成課程の新卒が79.3%、栄養士養成課程の既卒が11.0%です。

『働きながらだと、そんなに難しいの?』と不安になりますよね。仕事と勉強を両立する難しさが、数字に出ていると考えられます。

最新の数字は、厚生労働省の公式発表で確かめておきましょう。

資格を取ったあとの道の違い

資格を取ったあとに目指せる認定にも違いがあります。日本栄養士会の「認定管理栄養士・認定栄養士」は、どちらの資格でも実務経験5年以上などの要件を満たせば目指せます。

一方で、管理栄養士だけが目指せる認定もあります。代表的なものを表にしてみました。

認定の例対象主な要件(公式の案内から)
認定管理栄養士・認定栄養士管理栄養士・栄養士実務経験5年以上、研修の単位など
専門管理栄養士管理栄養士分野ごとの実務経験、研修、症例の提出など
在宅訪問管理栄養士管理栄養士管理栄養士の登録から5年以上など
公認スポーツ栄養士管理栄養士満22歳以上の管理栄養士で、講習と検定に合格

『長く働くなら、管理栄養士のほうが選べる道が多い?』と感じた方もいますよね。専門を深めたい人にとっては、管理栄養士の資格が入り口になる場面が多いのは確かです。

就職・求人での違いは?

求人の「応募条件」で違いが見える

栄養士と管理栄養士の違いが一番はっきり出るのは、求人の応募条件です。管理栄養士の免許を条件にしている募集もあれば、栄養士の免許で応募できる募集もあります。

例えば、公務員の採用試験を見ると、自治体によって免許の条件が違います。

募集の例免許の条件
東京都 Ⅰ類B「栄養士」区分(令和7年度)栄養士の免許(管理栄養士の免許も可)
横浜市「栄養士」区分(令和8年度)管理栄養士の免許(取得見込みを含む)
横浜市「学校栄養」区分(令和8年度)栄養士または管理栄養士の免許(取得見込みを含む)
大阪府「栄養士職」(令和8年度)管理栄養士の免許、または取得見込み

同じ「栄養士」という名前の区分でも、管理栄養士が条件になっていることがあるんです。目指す職場が決まっているなら、早めに募集の条件を確かめておくと安心です。

よくある思い込み

「管理栄養士なら、どこでも採用されやすい」とは言い切れません。逆に「栄養士だけでは仕事がない」ということもありません。職場ごとに求められる資格が違う、と考えておくのが現実的です。

給料はどう違う?

『どっちが給料がいいの?』という疑問もよく見かけます。公務員の例を一つ挙げてみます。

大阪府の令和8年度の栄養士職の案内では、令和8年3月の大学卒業者の初任給は月額268,500円程度(地域手当を含む)です。ただ、この区分は管理栄養士の免許(見込みを含む)が条件になっています。

給料は職場や地域、経験で大きく変わります。この記事では、一般論としての金額は出していません。

確かめたい時は、気になる求人票を並べて、管理栄養士と栄養士で条件や待遇に違いがあるかを見比べてみるのがおすすめです。

自分はどっち向き?迷った時の判定表

「働きたい場所」「学ぶ年数」「試験」の3つで考える

どちらを目指すか迷ったら、働きたい場所、学びにかけられる年数、国家試験に挑むかどうかの3つで考えると決めやすくなります。

ここでは、栄養士と管理栄養士のどちらが向いているかを判定する表を作ってみました。当てはまるものが多いほうを、一つの目安にしてみてください。

質問栄養士向き管理栄養士向き
働きたい場所は?給食の現場、保育園、社員食堂病院の病棟、保健所、特定保健指導の場
学ぶ年数は?2年で早く働きたい4年かけてじっくり学びたい
国家試験は?まずは現場で経験を積んでから考えたい学生のうちに合格を目指したい
相手との関わり方は?たくさんの人の食事を支えたい一人ひとりと深く関わりたい
将来の方向は?働きながら次の道を考えたい認定制度などで専門を深めたい
栄養士と管理栄養士のどちらが向いているかを3つの軸で判定する図解

今の立場別に考えてみる

判定表だけでは決めにくい、という方もいますよね。今の立場ごとに、考え方の例を並べてみます。

今の立場考え方の例
高校1〜2年生で文理選択に迷っている管理栄養士養成施設を考えるなら、理科の科目選びも学校の資料で確かめておく
高校3年生で学費や年数が気になる2年制で栄養士になり、働きながら管理栄養士を目指す道も比べてみる
社会人で学び直したい養成施設は昼間の学校だけなので、通える時間と年数を先に考える
短大の栄養士課程に在学中卒業後の実務経験3年以上で受験資格が得られることを頭に入れて職場を選ぶ
栄養士として働いている勤め先が実務経験として認められる施設かを確かめる

社会人の方は特に、通信教育や夜間部では栄養士の資格が取れない点に気をつけておきましょう。令和8年7月時点では、夜間部を認める方向の案が国の会議で出ている段階です。

『栄養士向きにチェックが多かったけど、将来は管理栄養士も気になる』という方もいるはずです。その場合は、短大や専門学校で栄養士になり、実務経験を積んでから国家試験を目指す道もあります。

学校を選ぶ前に家族と話しておきたいこと
  • 何年学ぶか(2年・3年・4年)
  • 卒業時に国家試験の受験資格まで得たいか
  • 卒業後すぐに働きたいか
  • 通学できる範囲にどんな学校があるか

学校の種類ごとの違いは、実際の資料を取り寄せて比べるのが一番分かりやすい方法です。資料の見比べ方は栄養士・管理栄養士の学校を資料請求で比べる方法と見るポイントでまとめています。

栄養士ガイド

栄養士・管理栄養士の学校や講座を比べたい方へ

栄養士・管理栄養士をめざす道は、大学・短大・専門学校(養成施設)の選び方で大きく変わります。働きながら管理栄養士国家試験をめざす人には、試験対策の講座という選択肢もあります。気になる学校や講座の資料を取り寄せて、実習や国家試験の支え方、通いやすさを同じ物差しで見比べるのが近道です。比べ方のポイントをまとめました。

無料学校・講座の資料請求と比べ方を見る

栄養士の免許につながるのは、都道府県知事などが指定した養成施設です。指定の有無は学校の案内や公的機関の情報で確認できます。

それぞれのなり方は、栄養士になるには?資格の取り方を3ステップで解説と管理栄養士になるには?4つのルートと国家試験までの流れで解説しています。

栄養士と管理栄養士について、よくある相談

公的な情報の範囲でお答えします

知恵袋などで見かけた相談から、違いに関するものを3つ選びました。

相談1 どっちのほうが職に就きやすい?

『栄養士と管理栄養士の違いは分かったけど、どっちが職に就きやすい?』という相談です。

管理栄養士にしかできない仕事や、管理栄養士を置くことが決められた施設があるので、選べる職場の幅は管理栄養士のほうが広くなります。一方で、厚生労働省の令和8年の資料では、栄養士の有効求人倍率は約4倍で推移しているとされています。

栄養士でも求人は多い、ということですね。どちらが有利かより、働きたい場所でどちらが求められているかを見ておくのがおすすめです。

相談2 栄養士のほうが2年早く働けて得では?

『栄養士なら2年で働き始められるから、そのほうが稼げるのでは?』という相談もありました。

早く働き始められるのは、栄養士の大きなよさです。ただ、あとから管理栄養士を目指す場合は、2年制の卒業なら3年以上の実務経験が必要で、働きながら国家試験の勉強をすることになります。

選び方よいところ考えておきたいこと
2年制で栄養士になる早く働いて経験を積める管理栄養士を目指すなら実務経験と両立の勉強がいる
4年制で管理栄養士を目指す卒業見込みで国家試験を受けられる学ぶ期間が2年長い

相談3 子どもの学部選び、どっちにすればいい?

『娘が大学を受験する。管理栄養士と栄養士、どちらの学科を選べばいい?』という保護者からの相談です。

4年制の大学にも、管理栄養士養成施設と栄養士養成施設の2種類があります。管理栄養士養成施設なら、卒業見込みで国家試験の受験資格が得られます。

どちらの学科でも、卒業すれば栄養士の資格は手に入ります。将来どんな場所で働きたいかを、お子さんと一緒に判定表で確かめてみてください。

よくある質問

栄養士と管理栄養士の違いを簡単に教えてください。

栄養士は養成施設を卒業して都道府県知事の免許を受けます。管理栄養士は国家試験に合格して厚生労働大臣の免許を受け、療養中の人への栄養の指導など、より専門的な仕事を任されます。

栄養士は国家資格ですか?

栄養士法で決められた資格で、免許は都道府県知事が与えます。国家試験はありません。

管理栄養士と栄養士、どちらを先に取りますか?

4年制の管理栄養士養成施設なら、卒業時に栄養士の資格を得たうえで国家試験を受けられます。それ以外のルートでは、栄養士になってから実務経験を積んで受験します。

栄養士の資格だけでも病院で働けますか?

働けます。病院の食事療養部門の責任者は、常勤の管理栄養士または栄養士とされています。ただし、入院患者の栄養管理を担当する常勤の管理栄養士の配置が入院の要件になっているなど、管理栄養士が求められる仕事もあります。

管理栄養士の国家試験は難しいですか?

令和8年の第40回は全体の合格率が47.6%でした。新卒と既卒で差が大きいので、最新の結果は厚生労働省の公式発表で確認してください。

まとめ

この記事の要点
  • 栄養士は都道府県知事、管理栄養士は厚生労働大臣の免許
  • 管理栄養士になるには国家試験の合格が必要
  • 違いが出るのは療養中の人への指導や、管理栄養士の配置が決められた場面
  • 公務員などの求人では、自治体ごとに免許の条件が違う
  • 迷ったら「働きたい場所」「学ぶ年数」「試験」の3つで判定する

栄養士と管理栄養士は、どちらが上というより、役割の違う資格です。自分が働きたい場面を思い浮かべながら、学校の資料を比べてみてください。

栄養士ガイド

栄養士ガイド 編集部

栄養士・管理栄養士の仕事内容、資格の取り方、管理栄養士国家試験、病院・保育園・学校・介護施設・行政など職場ごとの働き方を、公的機関の公開情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

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