社会人から栄養士になるには|働きながら・50歳からの学び直し

社会人から栄養士になるには何をすればいいかを解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が厚生労働省・文部科学省などの公的機関や日本栄養士会など公式団体の公開情報、読者の声を調べて独自に執筆しています。

『今の仕事を続けながら、栄養士の資格が取れたらいいのに』と考えている社会人の方も多いですよね。料理や食の仕事への思いが強くなるほど、年齢や生活のことが気になってくるものなんです。

結論から言うと、社会人から栄養士になるには、昼間の栄養士養成施設に入学して卒業し、免許を申請する道しかありません。だからこそ、年齢よりも「何年なら学校に通えるか」「その間の生活をどう支えるか」で道を選ぶのが大切です。

この記事を読めば、自分の状況に合う進み方と、40代・50歳から目指す時に考えておきたいことが分かります。

目次

社会人から栄養士になるには?まずは制度を知ろう

先に結論

栄養士の免許は、厚生労働大臣が指定した栄養士養成施設で2年以上学び、卒業した人に都道府県知事が与えます。社会人でも、この流れは高校生と同じです。

栄養士になるまでの流れは、次の3ステップです。

社会人が栄養士になるまでの流れ
  1. 栄養士養成施設(大学・短大・専門学校)に入学する
  2. 決められた科目と実習を修めて卒業する
  3. 都道府県知事に免許を申請し、栄養士名簿に登録される

栄養士法では、養成施設に入学できるのは大学に入学できる資格を持つ人とされています。年齢の条件は書かれていないので、高校を卒業していれば、社会人になってからでも目指せます。

社会人が栄養士になるまでの3ステップを示した図解

通信や夜間では栄養士資格は取れない

社会人の方がいちばん知っておきたいのが、ここです。全国栄養士養成施設協会の案内では、栄養士養成施設はすべて昼間部の学校で、通信教育や夜間部の学校は指定されていません。

『働きながら夜間の学校に通えば…』と考えていた方もいますよね。今の制度では、通信講座や夜間の学校だけで栄養士の免許を取ることはできないんです。

夜間部をつくる動きもある

令和8年7月の厚生労働省の委員会資料には、夜間部を2028年度から設置できるようにすることを目指す「案」が載っています。通信制は引き続き検討とされています。決まったことではないので、最新は厚生労働省の発表で確認してください。

通信講座で学べることと学べないことは、栄養士の資格は通信で取れる?でくわしく紹介しています。

学校の種類と通う年数

養成施設には、次の種類があります。どの学校を卒業しても、取れる栄養士の資格は同じです。

学校の種類修業年限社会人にとってのポイント
短期大学2年最短の2年で栄養士を目指せる
専門学校2年・3年・4年実習や就職の支援を重視したい人に合いやすい
大学(栄養士養成施設)4年幅広く学べるが、通う期間が長い
大学(管理栄養士養成施設)4年卒業見込みで管理栄養士国家試験を受けられる

早く働き始めたい社会人には、2年で卒業できる短大や専門学校が考えやすい選択肢です。ただ、管理栄養士まで目指すなら、4年制の管理栄養士養成施設も候補になります。

学校で学ぶことと、卒業後の手続き

養成施設では、栄養学や食べ物のこと、体のしくみ、調理、給食の運営などを学びます。栄養士法施行規則では「給食の運営」の校外実習を1単位以上行うこととされていて、学校給食センターや事業所、保育所などで実際の現場を体験します。

卒業したら、自分で都道府県に免許を申請します。東京都の公式案内を例にすると、手続きは次のとおりです。

項目東京都の例
申請方法電子申請・窓口・郵送
主な書類申請書、本人確認書類、卒業証明書、単位履修証明書、戸籍抄(謄)本など
手数料5,600円
交付まで書類を受け取ってから10日前後

住んでいる都道府県によって窓口や書類が違うことがあるので、卒業前に地元の案内を確かめておきましょう。

学校ごとの違いは、栄養士の専門学校の選び方でも比べています。

年齢より「通える期間と生活」で道を選ぶ判断表

決め手は年齢ではなく暮らし方

社会人の学び直しで本当に大事なのは、何歳かではなく、何年間学校に通えて、その間の生活をどう支えるかです。

ここがこの記事でいちばんお伝えしたいところです。社会人が栄養士を目指す時は、年齢を気にする前に、次の3つを書き出してみてください。

まず書き出したい3つのこと
  • 仕事を辞める、または減らして学校に通えるのは何年か
  • その間の学費と生活費を、貯金や家族の支えでまかなえるか
  • 平日の昼間に通える範囲に、養成施設があるか

この3つをもとに、どの道が合いそうかを表にしてみました。

自分の状況合いやすい道気をつけたいこと
2年なら仕事を離れて通える2年制の短大・専門学校で栄養士になる管理栄養士は、卒業後に実務経験3年以上を積んでから
4年通える余裕がある4年制の管理栄養士養成施設学費と生活費の総額を、先に計算しておく
今は通えないが、数年後なら通える貯金と情報集めを先に進める制度の動き(夜間部の案など)も見ておく
家族の世話があり、昼間に通うのが難しい栄養の知識を講座で学び、食に関わる仕事を探す講座だけでは栄養士の免許は取れない
すでに栄養士の資格がある実務経験を積んで管理栄養士国家試験へ学校に通い直す必要はない

『2年も仕事を離れるのは不安』という方もいますよね。だからこそ、学校に入る前に、通う期間とお金の見通しを立てておくことが大事なんです。

通える期間と生活の状況から社会人が栄養士への道を選ぶ判断表の図解

お金の見通しは「学費以外」まで入れて考える

社会人の学び直しで見落としやすいのが、学費以外のお金です。学校の資料には学費が書かれていますが、通っている間にかかるのはそれだけではありません。

計算に入れておきたいお金
  • 入学金と、卒業までの授業料の総額
  • 教科書や実習で使う白衣・調理道具などの費用
  • 通学の交通費
  • 学校に通う期間の家賃や食費などの生活費
  • 卒業後の免許申請の手数料

金額は学校や地域で大きく違うので、資料と説明会で確かめた数字を使って計算してみてください。表にして家族と共有しておくと、話し合いもスムーズになります。

例えばこんな場面で考えてみる

状況ごとの考え方を、場面で見てみましょう。

会社員として働いていて、2年分の生活費の貯金がある場合は、2年制の学校に入って栄養士になる道が考えやすいです。卒業後は栄養士として働き、管理栄養士を目指すかはその時に決めることもできます。

子育てがひと段落して、昼間の時間が使えるようになった場合も、2年制の学校が候補になります。授業と実習の時間割が、家族の予定と合うかを学校の説明会で聞いてみてください。

40代で介護の仕事をしていて、食事の面から利用者を支えたいと感じている場合はどうでしょう。昼間に通うには仕事を離れる必要があるので、まずは2年分の生活の見通しが立つかを確かめるところからです。

すでに栄養士の資格を持っていて、ブランクがある場合は、学校に通い直す必要はありません。パートなどで現場に戻り、実務経験を積みながら管理栄養士を目指すこともできます。

2年制に入る場合のスケジュールの目安

2年制の学校に入る場合を例に、入学前から免許を受けるまでの流れを並べてみます。実習や就職活動の時期は学校によって違うので、目安として見てください。

時期の目安やること
入学の1年ほど前学校の資料を集め、説明会に参加する。お金の計画を立てる
入学の前出願と入試。仕事の引き継ぎや退職の準備を進める
1年目基礎の科目と調理の実習。生活のリズムを整える
2年目給食の実習・校外実習と就職活動
卒業後都道府県に免許を申請し、栄養士として働き始める

仕事を辞める時期は、入学試験の結果が出てから決めるのが安心です。勤め先の退職の決まりも、早めに確かめておきましょう。

管理栄養士を社会人から目指すなら

管理栄養士は「学校」か「実務」のどちらかが要る

社会人から管理栄養士を目指すには、4年制の管理栄養士養成施設を出るか、栄養士として実務経験を積んでから国家試験を受けるかのどちらかです。

社会人から管理栄養士を目指す場合も、道筋は同じです。国家試験の受験資格は、卒業した学校の年限で次のように変わります。

卒業した学校国家試験までに必要なこと
4年制の管理栄養士養成施設実務経験は不要(卒業見込みで受験できる)
4年制の栄養士養成施設栄養士免許を取って実務経験1年以上
3年制の栄養士養成施設栄養士免許を取って実務経験2年以上
2年制の栄養士養成施設栄養士免許を取って実務経験3年以上

第40回(令和8年)の結果では、管理栄養士養成課程の新卒の合格率は79.3%、栄養士養成課程を出た既卒の人は11.0%でした。働きながら受験する人は、勉強の時間をどう作るかがカギになります。

国家試験の日程や受験資格は回ごとに変わることがあるので、最新は厚生労働省の公式発表で確認してください。

栄養士として働きながら管理栄養士へ

2年制の学校で栄養士になってから、働きながら管理栄養士を目指す道は、社会人にとって現実的な選び方のひとつです。お給料をもらいながら実務経験を積めるので、生活の面での負担を分けられます。

働きながらの進め方は、栄養士から管理栄養士になるにはでくわしく紹介しています。

40代・50歳で栄養士になるには?考えておきたいこと

年齢の上限はないが、働き方は先に調べておく

40代や50歳からでも、養成施設に入学して栄養士を目指すことはできます。ただ、卒業後の就職では、職場によって年齢の条件がある場合もあります。

『50歳で栄養士になるには、もう遅いのでは』と悩む方もいますよね。結論から言うと、学校に入って資格を取ること自体に年齢の制限はありません。

一方で、卒業後にどこで働くかは、年齢も含めて先に調べておくのがおすすめです。例えば自治体の採用試験では、年齢の条件がついている例があります。

採用の例(公式の募集要項より)年齢などの条件
江戸川区 栄養士1類(令和8年度)平成9年4月2日以降に生まれた人
大阪府 栄養士職(令和8年度)昭和61年4月2日以降に生まれた人
東京都Ⅰ類B 栄養士(令和7年度)平成8年4月2日から平成16年4月1日までに生まれた人

これは公務員の一例で、すべての職場に年齢の条件があるわけではありません。募集の内容は年度ごとに変わるので、気になる職場の最新の募集要項で確かめてください。

栄養士の40代からの働き方の考え方

栄養士の40代・50代からの働き方は、人によってさまざまです。正社員として働く人もいれば、家庭と両立しやすいパートで働く人もいます。

厚生労働省の資料では、栄養士の有効求人倍率は約4倍で推移しているとされています。栄養士として働ける場面は、今も多くあると言えますね。

40代・50歳から目指す時に確かめたいこと
  • 卒業する年齢と、その後に働きたい年数
  • 働きたい職場の募集に、年齢の条件があるか
  • 正社員かパートか、希望する働き方
  • 立ち仕事や調理の現場で働く体力に不安はないか

前の仕事の経験は、栄養士になっても活きる

『今までの仕事が無駄になるのでは』と心配する方もいますよね。実は、社会人としての経験は、栄養士の仕事でも役に立つ場面が多いんです。

これまでの経験の例栄養士の仕事で活きる場面
事務やパソコンの仕事献立の作成、帳簿や記録の管理
接客や販売の仕事食事についての相談、食べる人への説明
子育てや家族の食事づくり保育園の給食や食育、食べやすさの工夫
介護の仕事食事の形態の調整や、多職種との連携

面接や志望動機でも、これまでの経験と栄養士の仕事をつなげて話せると、伝わりやすくなりますよ。

パートでの働き方は、栄養士・管理栄養士のパートでも紹介しています。

よくある失敗

資格を取ることだけを目標にして、卒業後の働き方を考えないまま入学するケースです。学校に入る前に、働きたい場所の募集を一度のぞいておくと、学ぶ目的がはっきりします。

学校選びは資料と説明会で確かめる

社会人ならではの質問を用意する

社会人が学校を選ぶ時は、学費や通学だけでなく、社会人の学生がいるか、時間割はどうかなど、生活に関わることも確かめておきたいところです。

学校のホームページだけでは、社会人が気になることまでは分からないことも多いですよね。資料を取り寄せたうえで、説明会や相談会で直接聞いてみるのがおすすめです。

社会人が説明会で聞きたい質問
  • 社会人や年上の学生はどのくらいいますか
  • 1週間の時間割と、実習のある日はどうなっていますか
  • 学費の総額と、使える奨学金や支援の制度はありますか
  • 社会人入試の有無と、試験の内容を教えてください
  • 卒業生はどんな職場で働いていますか

資料の取り寄せ方と見比べるポイントは、栄養士・管理栄養士の学校を資料請求で比べる方法でまとめています。いくつかの学校を同じ目線で比べると、自分の生活に合う学校が見えてきます。

栄養士ガイド

栄養士・管理栄養士の学校や講座を比べたい方へ

栄養士・管理栄養士をめざす道は、大学・短大・専門学校(養成施設)の選び方で大きく変わります。働きながら管理栄養士国家試験をめざす人には、試験対策の講座という選択肢もあります。気になる学校や講座の資料を取り寄せて、実習や国家試験の支え方、通いやすさを同じ物差しで見比べるのが近道です。比べ方のポイントをまとめました。

無料学校・講座の資料請求と比べ方を見る

栄養士の免許につながるのは、都道府県知事などが指定した養成施設です。指定の有無は学校の案内や公的機関の情報で確認できます。

社会人から栄養士を目指す人のよくある相談

制度の決まりの範囲でお答えします

知恵袋などで多かった相談から3つを選び、公的な情報をもとに考え方をお伝えします。

相談1 会社員から栄養士に転身したい

『会社で働いているけど、昔から料理が好きで、食に関わる仕事がしたい。今から栄養士になれる?』という相談です。

なれます。高校を卒業していれば、年齢に関係なく栄養士養成施設に入学できます。ただ、昼間の学校に通う必要があるので、今の仕事をどうするかを決めることが最初の一歩です。

気になる学校があれば、説明会で社会人の学生がどのくらいいるかを聞いてみると、入学後の様子がイメージしやすくなります。

まずは、2年間の学費と生活費を計算してみてください。そのうえで学校の資料を取り寄せると、現実的な計画が立てやすくなります。

相談2 主婦だけど、数年後に専門学校を受けたい

『今は主婦で、将来のために資格を取りたい。数年後に栄養士の専門学校を受けようと考えている』という相談です。

数年後を目指して準備するのは、とても良い進め方です。その間に学校の情報を集め、通える範囲の養成施設をしぼっておきましょう。

栄養士の制度は変わる動きもあります。夜間部の設置が検討されていることも含めて、受験する前に最新の情報を確かめておくと安心です。

相談3 社会人から目指すのに、どのくらいの学力が要る?

『社会人から栄養士や管理栄養士を目指したいけど、勉強についていけるか不安』という相談です。久しぶりの勉強は、誰でも不安になりますよね。

入学試験の内容は学校ごとに違うので、まずは募集要項で社会人入試があるかを確かめてください。入学後は、体のしくみや食べ物の成分など、理科に近い内容も学びます。

入学前に高校の生物や化学の教科書を軽く読み返しておくと、授業に入りやすくなります。分からないことを先生に聞ける環境かどうかも、説明会で確かめておきましょう。

社会人の学び直しで大事にしたいこと
  • 通える期間とお金の見通しを先に立てる
  • 卒業後に働きたい職場の募集を調べておく
  • 説明会で時間割や社会人の学生の様子を聞く
見落としやすいこと
  • 通信講座だけで栄養士の免許が取れると思う
  • 年齢だけを理由にあきらめてしまう
  • 卒業後の免許申請を後回しにする

よくある質問

社会人から栄養士になるには、何年かかりますか?

2年制の短大や専門学校なら、入学から約2年で卒業して免許を申請できます。3年制や4年制の学校もあります。

働きながら栄養士の資格を取れますか?

今の制度では、栄養士養成施設はすべて昼間部で、通信や夜間の学校は指定されていません。昼間の学校に通える時間をつくる必要があります。

50歳で栄養士になるには、どうすればいいですか?

高校を卒業していれば、年齢に関係なく栄養士養成施設に入学できます。卒業後の働き方は、職場の募集条件もあわせて確かめておきましょう。

社会人から管理栄養士を目指せますか?

目指せます。4年制の管理栄養士養成施設に入るか、栄養士として実務経験を積んでから国家試験を受ける方法があります。

40代から栄養士になるのは遅いですか?

学校に入って資格を取ることに年齢の制限はありません。卒業後に働きたい職場の募集条件と、自分が希望する働き方を先に調べておくと安心です。

栄養士の資格は、卒業したら自動でもらえますか?

もらえません。卒業後に自分で都道府県の窓口に免許を申請し、栄養士名簿に登録されて栄養士になります。

まとめ

この記事の要点
  • 社会人から栄養士になるには、昼間の栄養士養成施設に入学して卒業する
  • 通信や夜間の学校は、今は養成施設として指定されていない
  • 年齢よりも、通える期間と生活の支え方で道を選ぶ
  • 40代・50歳からでも入学できるが、卒業後の働き方は先に調べておく
  • 管理栄養士は、4年制の養成施設か、栄養士としての実務経験から目指せる

社会人からの学び直しは、勇気のいる決断です。まずは通える期間とお金の見通しを書き出すところから始めてみてください。栄養士の資格の取り方は、栄養士になるには?でも紹介しています。

栄養士ガイド

栄養士ガイド 編集部

栄養士・管理栄養士の仕事内容、資格の取り方、管理栄養士国家試験、病院・保育園・学校・介護施設・行政など職場ごとの働き方を、公的機関の公開情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

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