管理栄養士国家試験の科目と出題数|配点から考える勉強の順番

管理栄養士国家試験の科目と出題数を解説する記事のアイキャッチ

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『管理栄養士国家試験の科目が多すぎて、どこから手をつければいいか分からない』という方も多いですよね。教科書を並べただけで、気持ちが重くなってしまうんです。

結論から言うと、管理栄養士国家試験の科目は9科目と応用力試験で、合計200問です。出題数には科目ごとに差があるので、問題数の多い科目から土台をつくると、点数が安定しやすくなります。

この記事を読めば、科目ごとの出題数と、配点から考えた勉強の順番が分かります。

目次

管理栄養士国家試験の科目は?9科目と応用力試験

9科目と応用力試験、合計200問

厚生労働省が示している管理栄養士国家試験の科目は9科目です。これに、知識を組み合わせて考える応用力試験が加わり、合計200問で構成されています。

まずは、9つの科目の名前を確認しておきましょう。

管理栄養士国家試験の9科目
  • 社会・環境と健康
  • 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
  • 食べ物と健康
  • 基礎栄養学
  • 応用栄養学
  • 栄養教育論
  • 臨床栄養学
  • 公衆栄養学
  • 給食経営管理論

名前が長い科目もあって、最初は覚えるだけでも大変ですよね。授業や教材では「人体」「食べ物」「給食」のように短く呼ばれることもあります。

出題は、5つの選択肢から1つの正解を選ぶ形が原則です。配点は1問1点で、第39回と第40回は200点中120点以上が合格基準でした。

9科目は養成施設で学ぶ内容とつながっている

科目の名前を見ると、管理栄養士養成施設や栄養士養成施設の授業で学ぶ内容と重なっていることに気づくはずです。国家試験は、学校で積み上げてきた内容を確かめる試験とも言えます。

『卒業してから時間がたっているけど、大丈夫かな』と不安な方もいますよね。一度学んだ科目は、思い出すきっかけさえあれば、ゼロから覚えるより早く取り戻せることが多いんです。

試験の全体像は管理栄養士国家試験とは?受験資格・日程・科目・合格率の全体像にまとめています。栄養士と管理栄養士の違いは栄養士とは?仕事内容・資格の取り方・管理栄養士との違いで紹介しています。

栄養士実力認定試験とのちがい

養成施設の学生は、在学中に「栄養士実力認定試験」を受けることもあります。名前が似ているので、混同しやすいですよね。

項目管理栄養士国家試験栄養士実力認定試験
行うところ厚生労働大臣全国栄養士養成施設協会
位置づけ管理栄養士の免許を受けるための国家試験自分の知識や実力を知るための認定試験
出題の構成9科目と応用力試験14科目と総合力問題
問題数200問85問

栄養士実力認定試験は国家資格の試験ではありません。ただ、自分の弱い分野を早めに知るきっかけにはなります。

科目ごとの出題数と配点

多い科目と少ない科目で倍以上の差がある

出題数がいちばん多いのは応用力試験の30問、いちばん少ないのは栄養教育論の13問です。同じ1問1点なので、出題数の多い科目ほど合計点への影響が大きくなります。

令和4年度の出題基準の改定検討会でまとめられた報告書(案)では、前回の出題数の配分が維持されています。出題数の多い順に並べてみました。

順位科目出題数
1応用力試験30
2人体の構造と機能及び疾病の成り立ち26
2臨床栄養学26
4食べ物と健康25
5給食経営管理論18
6社会・環境と健康16
6応用栄養学16
6公衆栄養学16
9基礎栄養学14
10栄養教育論13
合計200

上位4つだけで107問あります。合格基準の120点に近い数が、この4つに集まっているんです。

管理栄養士国家試験の科目を出題数の多い順に並べた図解

応用力試験とは?

応用力試験は、9科目で学んだ知識を組み合わせて、場面に合わせて考える問題です。平成31年の出題基準の改定で20題から30題に増え、第34回から適用されました。

ひとつの科目の暗記だけでは答えにくいのが特徴です。例えば、ある人の体の状態と食事の様子が書かれた場面から、どんな栄養管理がふさわしいかを考える、といった形をイメージしてみてください。

英語の用語にもふれておく

同じ報告書(案)では、基礎的な英語の用語を理解しているかを確かめる問題を取り入れることが望ましいとされています。教科書に出てくる英語の用語も、目を通しておくと安心です。

苦手な科目があったら不合格になる?

公表されている合格基準は、200点中120点以上という総合点です。『1科目だけ極端に低いと落ちるのでは』と心配する声もありますが、科目ごとの最低点は合格基準として示されていません。

とはいえ、出題数の多い科目を苦手なままにすると、ほかの科目で取り返すのが大変になります。苦手を残してよいのは、出題数の少ない科目に限ったほうが安全です。

出題数から考える勉強の順番表

土台の科目から、つながる科目へ

この記事のおすすめは、出題数の多さと科目どうしのつながりを合わせて、4つの段階で進める順番です。土台になる科目を先に固めると、あとの科目の理解が早くなります。

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。出題数と内容のつながりから、勉強の順番を表にしてみました。

段階科目出題数の合計この段階のねらい
1人体の構造と機能及び疾病の成り立ち、基礎栄養学40体の仕組みと栄養素のはたらきの土台をつくる
2食べ物と健康、臨床栄養学、応用栄養学67食べ物の知識と、人に合わせた栄養管理を積み上げる
3給食経営管理論、公衆栄養学、栄養教育論、社会・環境と健康63施設や地域での栄養管理、伝え方を押さえる
4応用力試験30全科目の知識を場面に当てはめて考える

段階1は出題数こそ中くらいですが、ここが分かると臨床栄養学や応用栄養学がぐっと読みやすくなります。急がば回れ、の段階です。

段階2は出題数がいちばん多いまとまりです。食べ物と健康と臨床栄養学だけで51問あるので、ここで点数の柱をつくっていきます。

出題数とつながりから考えた管理栄養士国家試験の勉強の順番表の図解

1日の中で科目を組み合わせる

同じ科目ばかりを長く続けると、集中が切れやすくなります。1日の中で、性格のちがう科目を組み合わせるのも一つの工夫です。

例えば、考える科目の臨床栄養学を集中できる時間に1つ、覚える科目の公衆栄養学をすきま時間に1つ、という組み合わせです。気分が変わるので、続けやすくなりますよ。

残りの期間で配分を変える

試験までの期間が長いか短いかで、順番表の使い方も変わります。期間ごとの進め方の例を表にしてみました。

試験までの期間進め方の例
1年ほどある段階1から順番に進め、各段階のあとに過去問で確かめる
半年ほど段階1と段階2を並行して進め、秋から段階3と応用力試験に入る
3か月ほど段階2の出題数の多い科目と応用力試験を優先し、段階1は過去問で間違えたところだけ戻る

『もう3か月しかないのに、基礎からやり直していいの?』と焦る方もいるはずです。期間が短い時ほど、出題数の多いところに時間を集めるのが現実的です。

順番どおりに進まなくても大丈夫

『学校の授業の順番とちがうけど、変えたほうがいい?』と迷う方もいますよね。授業や模試の予定がある学生は、そちらに合わせて進めても問題ありません。

大事なのは、出題数の多い科目を後回しにしすぎないことです。順番表は、迷った時に戻ってくる目安として使ってみてください。

順番表の使い方
  1. 自分の模試や過去問の点数を、科目ごとに書き出す
  2. 段階1と段階2の科目で、点数の低いものに印をつける
  3. 印をつけた科目から、教科書と過去問を往復する
  4. 一通り終わったら、段階3と応用力試験に広げる

科目ごとの中身と進め方のコツ

科目の性格に合わせて勉強の仕方を変える

覚えることが中心の科目と、考え方が中心の科目では、効く勉強の仕方が違います。科目のまとまりごとに、進め方のコツを見ていきましょう。

ここでは、9科目を内容の近いまとまりに分けて紹介します。どの科目も、過去問と教科書を行き来する進め方が基本になります。

体と栄養の基礎のまとまり

人体の構造と機能及び疾病の成り立ちと基礎栄養学は、体の仕組みと栄養素のはたらきを学ぶ科目です。ほかの科目の説明に、この2つの知識がくり返し出てきます。

覚える量が多いので、最初は細かいところより全体の流れをつかむことを優先しましょう。図を見ながら、体の中で何が起きているかを言葉で説明できるようにするのがコツです。

『暗記が苦手で、人体の科目がどうしても進まない』という方は、1日に覚える範囲を小さく決めてみてください。毎日少しずつでも、くり返し目にふれるほうが記憶に残ります。

管理栄養士の食べ物と健康はどう進める?

食べ物と健康は25問と出題数が多く、管理栄養士国家試験の中でも点数の柱になる科目です。食品の性質や、食べ物を安全においしく食べるための知識をあつかいます。

『食べ物と健康は範囲が広くて、どこまで覚えればいいのか分からない』という声もよく聞きます。まずは過去問で何度も出てくる用語を拾い、そこから教科書の該当ページに戻る進め方がおすすめです。

例えば、こんなやりとりをイメージしてみてください。
「食べ物と健康の教科書を最初から読んでいたら、途中で止まってしまいました」
「それなら、過去問で間違えた問題の用語だけを教科書で調べる形に変えてみましょう」

人に合わせた栄養管理のまとまり

臨床栄養学と応用栄養学は、ライフステージや体の状態に合わせた栄養管理を学ぶ科目です。臨床栄養学は26問と出題数も多く、応用力試験ともつながりが深い科目です。

段階1の基礎がある程度固まってから取り組むと、理解が進みやすくなります。数字や基準を覚える時は、なぜその数字なのかを一言で説明できるようにしておきましょう。

施設と地域、伝え方のまとまり

給食経営管理論、公衆栄養学、栄養教育論、社会・環境と健康は、施設や地域で栄養管理を進める仕組みと、人に伝える方法を学ぶ科目です。

制度や仕組みの名前がたくさん出てくるので、似た言葉を表にして見比べると覚えやすくなります。実務経験のある人は、自分の職場の場面に置きかえて考えると記憶に残りやすいですよ。

例えば、給食経営管理論なら、自分の職場の献立づくりや食材の発注、衛生管理の流れを思い浮かべながら読んでみてください。教科書の言葉と、毎日の仕事がつながる瞬間があります。

4科目を合わせると63問あり、出題数のまとまりとしては段階2に近い大きさです。1科目ずつは少なく見えても、まとめて後回しにしないようにしましょう。

応用力試験は最後にまとめてではなく、少しずつ

応用力試験は30問と出題数がいちばん多いのに、後回しにされやすい科目です。『全部の科目が終わってからでないと解けない』と感じてしまうんですよね。

実は、段階1と段階2が少し進んだころから、応用力試験の問題にふれておくのがおすすめです。解けなくても、どの科目の知識が使われているかを確かめるだけで、ほかの科目を勉強する時の目のつけどころが変わります。

週に1回、応用力試験の問題を数問だけ解く日をつくる。そのくらいの軽さで始めてみてください。

覚えることが中心の科目の進め方
  • 過去問でよく出る用語から拾う
  • 似た言葉を表にして見比べる
  • 短い時間でもくり返し目にふれる
考え方が中心の科目の進め方
  • 1問ずつ、なぜその答えになるかを説明する
  • まとまった時間をとって解く
  • 解説を読んだあと、何も見ずに説明し直す

科目ごとに1枚の見直しメモをつくる

9科目もあると、本番の直前に何を見直せばいいか迷いがちです。科目ごとに、間違えやすいところだけを書いた見直しメモを1枚ずつつくっておくと、最後の確認が楽になります。

見直しメモに書いておくこと
  • 過去問で2回以上間違えた用語
  • 似ていて取り違えやすい言葉の組み合わせ
  • 覚えにくい数字や基準と、その理由の一言
  • 応用力試験で迷った場面の考え方

メモは書きすぎないのがコツです。1科目1枚に収まらない時は、本当に何度も間違えているものだけに絞ってみてください。

出題基準と教材の選び方

教材は最新の出題基準に合っているかを確かめる

管理栄養士国家試験の出題の目安になる出題基準は、おおむね4年に1度見直される方針です。教材を選ぶ時は、最新の出題基準に合わせてあるかを確かめておきましょう。

直近の改定は、令和4年度の改定検討会で話し合われ、令和5年2月に報告書が取りまとめられました。報告書(案)では、第38回(2024年実施)からの適用が望ましいとされています。

『先輩からもらった教材で勉強してもいい?』という相談もよくあります。出題基準が改定される前の教材だと、科目の中の項目が変わっていることもあるので、発行時期を確かめてから使ってみてください。

よくある失敗

古い教材と新しい教材を混ぜて使い、同じ内容を二重に覚えたり、改定で変わった部分を古いまま覚えてしまったりすることです。メインの教材は1冊に決めておくと迷いません。

学生と社会人で、教材の選び方は変わる

学生は、授業で使っている教科書や学校の対策をそのまま軸にできます。新しく教材を買い足すより、手元の教科書と過去問を往復するほうが効率的なことも多いんです。

一方、卒業してから時間がたっている人は、手元の教科書が改定前のものかもしれません。メインの1冊を最新の出題基準に合ったものに替え、古い教科書は辞書のように使うのがおすすめです。

過去問・参考書・講座の使い分け

科目の勉強には、過去問、参考書や問題集、講座といった道具があります。それぞれの役割を表にしてみました。

道具主な役割向いている使い方
過去問出題の形とよく出る内容を知る科目ごとに解いて、間違えたところを教科書で確かめる
参考書・問題集科目の内容を体系的に理解する過去問で分からなかった部分を読み込む
講座教材・質問対応・模試で勉強のペースをつくる一人では続けにくい時、科目の順番を任せたい時

過去問の使い方は管理栄養士国家試験の過去問の使い方|何年分・何周するかで、参考書の選び方は管理栄養士の参考書・問題集の選び方|教科書と必携の使い分けでくわしく紹介しています。

働きながらで9科目を自分で順番立てるのが難しいと感じたら、講座の資料を取り寄せて、教材の構成や質問の仕組みを比べてみるのも一つの方法です。比べ方は管理栄養士国家試験の講座・通信講座の選び方|比べる5つのポイントにまとめています。

栄養士ガイド

栄養士・管理栄養士の学校や講座を比べたい方へ

栄養士・管理栄養士をめざす道は、大学・短大・専門学校(養成施設)の選び方で大きく変わります。働きながら管理栄養士国家試験をめざす人には、試験対策の講座という選択肢もあります。気になる学校や講座の資料を取り寄せて、実習や国家試験の支え方、通いやすさを同じ物差しで見比べるのが近道です。比べ方のポイントをまとめました。

無料学校・講座の資料請求と比べ方を見る

栄養士の免許につながるのは、都道府県知事などが指定した養成施設です。指定の有無は学校の案内や公的機関の情報で確認できます。

管理栄養士国家試験の科目についてよくある相談

科目について寄せられることの多い相談を、3つ取り上げます。

9科目のうち、どれから始めればいい?

『9科目を全部並べると、どれから手をつければいいか迷う』という相談はとても多いです。この記事の順番表では、人体の構造と機能及び疾病の成り立ちと基礎栄養学から始めることをおすすめしています。

体の仕組みと栄養素の知識は、臨床栄養学や応用栄養学、応用力試験の土台になるからです。そのうえで、出題数の多い食べ物と健康と臨床栄養学に進みましょう。

1科目だけ点数が低いと、不合格になる?

公表されている合格基準は、第39回・第40回とも200点中120点以上の総合点です。科目ごとの最低点は、合格基準として示されていません。

ただ、点数の低い科目が出題数の多い科目なら、全体の点数を大きく下げてしまいます。気になる時は、その科目の出題数を確かめて、優先して取り組むかどうかを決めてみてください。

例えば、栄養教育論の13問と臨床栄養学の26問では、同じように苦手でも影響の大きさが倍ほど違います。苦手な科目の中にも、優先順位をつけてみましょう。

模試で100点前後。ここから科目をどう伸ばす?

120点の合格基準まで、あと20点ほどの状態ですね。全部の科目を均等にやり直すより、出題数の多い科目で取りこぼしている問題を拾うほうが近道です。

例えば、上位4つの科目と応用力試験で、それぞれ数問ずつ取り戻せれば、合計の点数はぐっと近づきます。勉強の進め方は管理栄養士国家試験の勉強法|独学・働きながらの進め方も参考にしてみてください。

相談への回答の前提

回答は、厚生労働省が公表している試験科目・出題基準の報告書・試験結果の範囲にもとづいています。最新の出題数や合格基準は、厚生労働省の発表で確かめてみてください。

管理栄養士国家試験の科目のまとまりと進め方のコツの図解

よくある質問

管理栄養士国家試験の科目はいくつですか?

9科目です。これに応用力試験が加わり、合計200問で構成されています。

いちばん出題数が多い科目は何ですか?

応用力試験の30問です。科目では、人体の構造と機能及び疾病の成り立ちと臨床栄養学が26問、食べ物と健康が25問と続きます。

管理栄養士国家試験の食べ物と健康は何問出ますか?

出題基準の報告書(案)の配分では25問です。9科目の中でも出題数の多い科目です。

苦手な科目は捨ててもいいですか?

合格基準は総合点ですが、出題数の多い科目を捨てると120点に届きにくくなります。手放すとしても、出題数の少ない科目の中の、とくに苦手な部分にとどめるのがおすすめです。

応用力試験はいつから30問になりましたか?

平成31年の改定で20題から30題に増え、第34回から適用されました。

まとめ

この記事の要点
  • 管理栄養士国家試験の科目は9科目と応用力試験で、合計200問
  • 出題数は応用力試験30問がいちばん多く、栄養教育論13問がいちばん少ない
  • 上位4つで107問あり、合格基準の120点に近い数が集まっている
  • 勉強は体と栄養の基礎から始め、出題数の多い科目で点数の柱をつくる
  • 教材は最新の出題基準に合っているかを確かめて選ぶ

科目の多さに圧倒されたら、まずは出題数の表を見て、自分の点数と並べてみてください。どこから手をつければいいかが、ぐっと見えやすくなりますよ。

栄養士ガイド

栄養士ガイド 編集部

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