管理栄養士になるには?4つのルートと国家試験までの流れ

管理栄養士になるには4つのルートがあることを解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が厚生労働省・文部科学省などの公的機関や日本栄養士会など公式団体の公開情報、読者の声を調べて独自に執筆しています。

『管理栄養士になりたいけど、大学に行かないとなれないの?』『栄養士とどう違うの?』と迷っている方も多いですよね。調べるほどルートが枝分かれしていて、分かりにくいところなんです。

結論から言うと、管理栄養士になるには「養成施設を卒業する」「国家試験に合格する」「免許を申請する」の流れを進みます。ルートは4つあり、どの学校を出たかで、国家試験を受けられる時期が変わります。

この記事を読めば、自分がどのルートで、入学から何年目に受験できるのかが分かります。

目次

管理栄養士になるには?全体の流れ

先に結論

管理栄養士は、管理栄養士国家試験に合格した人に厚生労働大臣が与える免許です。国家試験を受けるには、栄養士養成施設か管理栄養士養成施設を卒業していることが前提になります。

管理栄養士のなり方を大きく分けると、次の3段階です。

管理栄養士になるまでの流れ
  1. 栄養士養成施設か管理栄養士養成施設に入学して卒業する
  2. 受験資格を満たして、管理栄養士国家試験に合格する
  3. 厚生労働大臣に免許を申請し、管理栄養士名簿に登録される

栄養士法では、管理栄養士は傷病者への療養のための栄養の指導や、給食施設での特別な配慮が必要な給食管理などを行う人と定められています。栄養士より専門性の高い場面を任される資格なんです。

管理栄養士になるまでの流れを3段階で示した図解

管理栄養士資格と栄養士資格のちがい

管理栄養士資格を考える時は、栄養士との関係を先に押さえておくと迷いません。

比べる点栄養士管理栄養士
免許を出すところ都道府県知事厚生労働大臣
試験なし国家試験あり
名簿都道府県の栄養士名簿厚生労働省の管理栄養士名簿
名称独占ありあり

どちらも名前を名乗れるのは資格を持つ人だけです。仕事の中身の違いは、栄養士とは?や管理栄養士の解説記事で見てみてください。

管理栄養士になる4つのルート

ルートは「最初に入る学校」で決まる

4年制の管理栄養士養成施設を出るルートと、栄養士養成施設を出て実務経験を積むルートがあります。後者は学校の修業年限で必要な実務の年数が変わります。

栄養士法と厚生労働省の施行公告にある受験資格を、ルートごとに並べるとこうなります。

ルート最初に入る学校卒業後に必要なこと
ルート14年制の管理栄養士養成施設実務経験は不要(卒業見込みで受験できる)
ルート24年制の栄養士養成施設栄養士免許を取って実務経験1年以上
ルート33年制の栄養士養成施設栄養士免許を取って実務経験2年以上
ルート42年制の栄養士養成施設栄養士免許を取って実務経験3年以上

『結局、どのルートがいいの?』と思いますよね。いちばん早く管理栄養士になれるのはルート1ですが、ほかのルートにもそれぞれの良さがあります。

ルート1 管理栄養士養成施設を卒業する

4年制の管理栄養士養成施設では、在学中に国家試験の受験資格に必要な科目を学びます。卒業見込みの4年生の冬に国家試験を受けられるので、卒業と同じ春に合格を目指せます。

厚生労働省の資料では、令和8年4月時点で管理栄養士養成施設は151施設とされています。在学中は、講義と実習に加えて、校外での実習もあります。4年生になると、卒業の準備と国家試験の勉強が重なる時期が続くので、3年生のうちから少しずつ過去の問題に触れておくと安心です。

大学の選び方は、管理栄養士の大学の選び方で比べるポイントをまとめています。

ルート2から4 栄養士として働きながら目指す

短大や専門学校、4年制の栄養士養成施設を出た人は、まず栄養士免許を取って働きます。そのうえで決められた年数の実務経験を積み、国家試験に挑戦します。

例えば、2年制の短大を出て保育園の給食で働く場合は、3年以上働いてから受験する流れです。現場で献立や栄養の指導を経験してから試験に向かえるので、学んだことが仕事と結びつきやすいのが良いところです。

例えばこんな進み方

ルート2から4は、働く場所によって経験の中身が変わります。いくつか例を挙げてみますね。

卒業後の働き方の例実務の中身の例受験に向けて意識したいこと
病院の給食部門で働く食事箋に沿った献立づくり、栄養の指導の補助臨床栄養学を現場の仕事と結びつけて覚える
保育園で働く給食の献立、食育の準備応用栄養学で年齢ごとの栄養を整理する
介護施設で働く食事の形態の調整、栄養の記録栄養ケアの流れを科目の知識で裏づける
社員食堂で働く大量調理の献立、衛生管理給食経営管理論を自分の職場に当てはめる

自分の仕事が試験のどの科目につながっているかを意識すると、毎日の業務がそのまま勉強になります。働きながらの受験は大変ですが、現場の経験は試験でも、合格後の仕事でも大きな支えになりますよ。

働きながら目指す時の進め方は、栄養士から管理栄養士になるにはでくわしく紹介しています。

何年目に受験できる?学校別のルート早見表

高校卒業の春を「1年目」として数える

学校に入った年を1年目として数えると、ルート1は4年目の冬、ルート4は早くても5年目以降の冬に国家試験を受ける形になります。

ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。ルートの違いを「入学から何年目に受験できるか」で並べると、自分の将来がぐっとイメージしやすくなりますよ。

ルート学校で学ぶ年数必要な実務経験受験できる時期の目安
ルート14年不要4年目の冬(卒業見込み)
ルート24年1年以上卒業後1年以上たってから
ルート33年2年以上卒業後2年以上たってから
ルート42年3年以上卒業後3年以上たってから

ルート2から4は、どれも学校の年数と実務経験を足すと5年以上になります。ルート1よりは時間がかかりますが、その間は栄養士としてお給料をもらいながら働けます。

実務経験は、受験する回ごとに数える期限が決まっています。例えば第41回の施行公告では、令和8年12月4日までの期間で数えるとされていました。

学校の修業年限ごとに管理栄養士国家試験を受けられる時期を並べた早見表の図解

実務経験として数えられる職場

実務経験は、どこで働いても数えられるわけではありません。施行公告では、次のような施設で「栄養の指導」に従事した期間とされています。

実務経験として認められる施設
  • 寄宿舎、学校、病院など、特定多数の人に継続して食事を出す施設
  • 食品の製造、加工、調理、販売を業とする施設
  • 学校、専修学校、各種学校、幼保連携型認定こども園
  • 栄養に関する研究施設、保健所など栄養の事務を扱う行政機関
  • そのほか、栄養の知識の普及や栄養の指導が行われる施設

『調理だけの仕事でも数えられる?』と不安になる方もいるはずです。大事なのは「栄養の指導に従事した期間」かどうかなので、自分の仕事内容を職場とよく確認しておきましょう。

受験資格のくわしい中身は、管理栄養士国家試験の受験資格でまとめています。

管理栄養士国家試験の中身を知っておこう

9科目200問で、120点以上が合格

管理栄養士国家試験は9科目と応用力試験で計200問です。第39回と第40回は、1問1点で総合点120点以上が合格基準でした。

国家試験は、厚生労働大臣が毎年少なくとも1回行う試験です。出題される9つの科目は、社会・環境と健康、人体の構造と機能及び疾病の成り立ち、食べ物と健康、基礎栄養学、応用栄養学、栄養教育論、臨床栄養学、公衆栄養学、給食経営管理論です。

出題数は科目ごとに決まっていて、令和4年度の改定検討会の報告書(案)では次の配分とされています。

科目出題数科目出題数
社会・環境と健康16応用栄養学16
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち26栄養教育論13
食べ物と健康25臨床栄養学26
基礎栄養学14公衆栄養学16
給食経営管理論18応用力試験30

問題は5つの選択肢から1つの正解を選ぶ形が原則です。出題数の多い科目から手をつけると、勉強の順番を決めやすくなりますよ。

第41回の日程(令和9年実施)

令和8年7月の施行公告による、第41回の主な日程は次のとおりです。

項目第41回の内容
出願の受付令和8年11月2日から12月4日まで
受験手数料6,800円(収入印紙)
試験日令和9年2月28日(日)
試験地北海道、宮城県、埼玉県、東京都、愛知県、大阪府、岡山県、福岡県、沖縄県
合格発表令和9年3月26日(金)午後2時

日程や受験資格は回ごとに変わることがあるので、最新は厚生労働省の公式発表で確認してください。

ルートによって合格率が大きく違う

第40回(令和8年)の結果を、受験した人の区分ごとに見てみましょう。

区分受験者合格者合格率
管理栄養士養成課程(新卒)8,585名6,810名79.3%
管理栄養士養成課程(既卒)2,222名208名9.4%
栄養士養成課程(既卒)5,120名564名11.0%
全体15,927名7,582名47.6%

新卒の合格率が高く、既卒になると大きく下がっていますよね。働きながら受験する人は、勉強の時間をどう作るかが合否を左右しやすいんです。

合格率の推移も見ておこう

厚生労働省が公表している、ここ数年の全体の合格率は次のとおりです。

回(実施年)受験者合格者合格率
第37回(令和5年)16,351名9,254名56.6%
第38回(令和6年)16,329名8,056名49.3%
第39回(令和7年)16,169名7,778名48.1%
第40回(令和8年)15,927名7,582名47.6%

全体の合格率は、ここ数年で5割前後になっています。全体の数字だけを見て「半分受かる試験」と考えるより、自分の区分の合格率を見ておくほうが、準備の目安として役に立ちます。

出願の前に用意しておくもの

第41回の施行公告では、受験願書のほかに次のような書類を出すとされています。

出願で用意する主なもの
  • 受験願書(収入印紙6,800円分を貼る)
  • 写真(縦6cm×横4cm、6か月以内に撮ったもの)
  • 実務経験ルートの人は、栄養士免許証の写し
  • 実務経験ルートの人は、卒業証明書と実務証明書

実務証明書は職場に書いてもらう書類なので、出願の受付が始まる前に頼んでおくと慌てずにすみます。

試験の全体像は、管理栄養士国家試験とは?でくわしく紹介しています。

よくある失敗

「卒業してから落ち着いて勉強しよう」と後回しにするケースです。既卒の合格率は新卒より大きく下がるので、受けられる最初の回に照準を合わせておくのがおすすめです。

合格したあとは免許の申請をする

合格しただけでは名乗れない

国家試験に合格したら、免許を申請して管理栄養士名簿に登録されることで、はじめて管理栄養士になります。

管理栄養士の免許申請の窓口は都道府県ごとに違い、多くは住所地の保健所です。東京都は都庁で受け付けています。

東京都の案内では、必要書類は申請書、本人確認書類、合格証書の原本、戸籍抄(謄)本などで、収入印紙15,000円分を用意します。交付までは2〜3か月かかるとされています。

『合格したのに、免許証が届くまで管理栄養士として働けないの?』と心配になる方もいますよね。就職先によっては「管理栄養士登録済証明書」を求められることがあり、東京都では免許の申請と同時にしか申し込めないとされています。必要かどうかは、申請前に就職先へ確認しておきましょう。

栄養士ガイド

栄養士・管理栄養士の学校や講座を比べたい方へ

栄養士・管理栄養士をめざす道は、大学・短大・専門学校(養成施設)の選び方で大きく変わります。働きながら管理栄養士国家試験をめざす人には、試験対策の講座という選択肢もあります。気になる学校や講座の資料を取り寄せて、実習や国家試験の支え方、通いやすさを同じ物差しで見比べるのが近道です。比べ方のポイントをまとめました。

無料学校・講座の資料請求と比べ方を見る

栄養士の免許につながるのは、都道府県知事などが指定した養成施設です。指定の有無は学校の案内や公的機関の情報で確認できます。

管理栄養士を目指す人のよくある相談

公式の情報の範囲でお答えします

知恵袋などで多かった相談から3つを選び、制度の決まりをもとに考え方をお伝えします。

相談1 必修単位を落としたら、受験資格はどうなる?

『4年生で必修科目の再試験に落ちてしまった。国家試験の受験資格はもらえる?』という相談です。とても不安な状況ですよね。

ルート1の受験資格は「管理栄養士養成施設を卒業した人(卒業見込みを含む)」です。つまり、卒業に必要な単位がそろうかどうかが、受験資格に直結します。

判断は学校が行うので、まずは担当の先生に、卒業と受験資格の見込みがどうなるかをはっきり確認してください。もし卒業が延びても、卒業すれば受験資格は得られます。

相談2 短大卒で実務3年、証明書はどうそろえる?

『2年制の短大を出て、実務経験が3年必要。実務経験証明書はどう用意するの?』という相談です。

実務経験ルートの出願では、栄養士免許証の写し、卒業証明書、実務証明書などを出します。実務証明書は、働いている(働いていた)施設に書いてもらう書類です。

転職している人は、前の職場にも証明をお願いする必要があります。出願の受付は毎年秋から冬なので、早めに職場へ相談しておくと安心です。

相談3 地元の大学2つで迷っている

『地元に栄養を学べる大学が2つあって、どちらにするか迷っている』という相談です。

まず確認したいのは、その学科が管理栄養士養成施設か、栄養士養成施設かという点です。同じ「栄養」の学科でも、管理栄養士養成施設でなければ、卒業後に実務経験が必要になります。

そのうえで、実習の内容、国家試験に向けた学校のサポート、通学のしやすさを比べてみてください。資料を並べて比べると、違いがはっきり見えてきます。

学校選びで見ておきたいこと
  • 管理栄養士養成施設かどうか
  • 国家試験に向けた対策の授業や模試の有無
  • 実習先の種類と、卒業生の就職先
見落としやすいこと
  • 学科名に「栄養」があるだけで同じだと思う
  • 偏差値や通学時間だけで決める
  • 4年間の学費の総額を確かめない

どのルートを選ぶか迷った時の考え方

「何年で」「どう暮らしながら」で決める

ルートは早さだけで選ぶものではありません。学費や通学、早く働きたいかどうかも合わせて考えてみてください。

ルート1は最短ですが、4年間学校に通う必要があります。ルート4は時間がかかる代わりに、2年で栄養士として働き始められます。

自分に合うルートを考えるための質問
  • 卒業と同時に管理栄養士として働きたいか
  • 4年間通う学費と生活費をまかなえるか
  • 早く現場に出て、働きながら学びたいか
  • 通える範囲に管理栄養士養成施設があるか

高校生と社会人では考える順番が違う

高校生の場合は、大学か短大・専門学校かを選ぶ段階で、ルートがほぼ決まります。『とりあえず栄養士になって、あとで考えよう』という選び方も間違いではありません。ただ、管理栄養士まで取りたい気持ちがはっきりしているなら、最初から管理栄養士養成施設を候補に入れておくと遠回りになりません。

社会人の場合は、学校に通う期間の生活をどう支えるかが大きなテーマです。2年制で栄養士になって働きながら管理栄養士をめざすか、4年制でまとめて学ぶか、家計と相談しながら決めてみてください。

ここで迷ったら、気になる学校の資料を取り寄せてみるのがおすすめです。資料の比べ方は、栄養士・管理栄養士の学校を資料請求で比べる方法で紹介しています。

養成施設の一覧は、全国栄養士養成施設協会の「養成施設を探す」で調べられます。

よくある質問

管理栄養士になるには、大学に行く必要がありますか?

4年制大学の管理栄養士養成施設を出るのが最短ですが、短大や専門学校を出て栄養士として働き、実務経験を積んでから国家試験を受けるルートもあります。

管理栄養士資格は、栄養士の資格がなくても取れますか?

管理栄養士養成施設を卒業見込みの人は、在学中に国家試験を受けられます。それ以外のルートでは、栄養士免許を取って実務経験を積むことが受験の条件です。

国家試験は年に何回ありますか?

栄養士法で、毎年少なくとも1回行うと決められています。第41回は令和9年2月28日に実施される予定です。

合格したらすぐ管理栄養士として働けますか?

免許を申請して管理栄養士名簿に登録されることが必要です。東京都の例では、交付まで2〜3か月かかるとされています。

栄養士として働いた期間なら、どんな仕事でも実務経験になりますか?

施行公告では、決められた施設で「栄養の指導」に従事した期間とされています。自分の仕事が当てはまるかは、職場と施行公告の内容で確認してください。

社会人からでも管理栄養士を目指せますか?

目指せます。養成施設の入学資格は大学に入学できる資格なので、年齢の上限は決められていません。

まとめ

この記事の要点
  • 管理栄養士になるには、養成施設を卒業し、国家試験に合格して免許を申請する
  • ルートは4つで、最初に入る学校の修業年限で必要な実務経験が変わる
  • 管理栄養士養成施設なら、卒業見込みで国家試験を受けられる
  • 第40回は新卒の合格率が79.3%、既卒は1割前後だった
  • 合格後は免許を申請し、管理栄養士名簿に登録される

管理栄養士になるには、まず自分がどのルートを選ぶかを決めるところからです。気になる学校の情報を集めて、何年目に受験できるかを確かめてみてください。

栄養士ガイド

栄養士ガイド 編集部

栄養士・管理栄養士の仕事内容、資格の取り方、管理栄養士国家試験、病院・保育園・学校・介護施設・行政など職場ごとの働き方を、公的機関の公開情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

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