栄養士実習とは?学校の校外実習の内容と準備

栄養士の学校の校外実習の内容と準備を解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が厚生労働省・文部科学省などの公的機関や日本栄養士会など公式団体の公開情報、読者の声を調べて独自に執筆しています。

『校外実習が近づいてきて、何を準備すればいいのか分からない』『現場で怒られたらどうしよう』と不安になっている方も多いですよね。初めて学校の外で給食づくりに関わるので、緊張するのは自然なことです。

結論から言うと、栄養士実習の中心は、給食の現場で「給食の運営」を学ぶ校外実習です。実習前・実習中・実習後にやることを分けて準備すれば、当日の不安はかなり小さくなります。

この記事を読めば、実習の中身と実習先で見ておきたいポイント、時期ごとのチェックリストが分かります。

目次

栄養士の実習とは?校外実習は給食の運営を学ぶ場

先に結論

栄養士法施行規則では、「給食の運営」の校外実習を1単位以上行うこととされています。学校の中の実習で学んだことを、実際の給食の現場で確かめるのが校外実習です。

栄養士の養成施設では、学校の中での調理や給食の実習に加えて、学校の外の施設に出向いて学ぶ実習があります。これが校外実習です。

学校の中と外の実習を並べると、目的の違いが分かりやすくなりますよ。

項目学校の中の実習校外実習
場所学校の調理室・給食室学校給食センター・事業所・保育所など
主な目的調理や献立づくりの基本を身につける実際の給食の運営の流れを体験する
一緒に動く人同じクラスの学生と先生現場で働く栄養士や調理の担当者
求められること手順どおりに作ること現場のきまりに合わせて動くこと

『学校の実習でもできているのに、外に行く意味はあるの?』と思う方もいますよね。現場では、決まった時間に決まった数の食事を出すために、たくさんの人が分担して動いています。その流れは、学校の中だけではなかなか体験できないんです。

栄養士養成施設のしくみは、栄養士養成施設とは?で詳しく紹介しています。

短大・専門学校・大学で時期は違う

校外実習をいつ行くかは、学校のカリキュラムによって違います。2年制の学校では、授業と実習、就職活動が同じ時期に重なることもあります。

学校ごとの学び方の違いは、栄養士の短大で学ぶことや栄養士の専門学校の選び方で確かめてみてください。

実習先の種類と見ておきたいポイント

給食の「量」と「相手」で見方が変わる

施設によって、食事を出す相手と量が違います。誰に、どのくらいの食事を出している施設なのかを先に知っておくと、実習中に見るべきところがはっきりします。

厚生労働省の資料では、校外実習の行き先の例として学校給食センター、事業所、保育所などが挙げられています。それぞれの特徴を表にしてみました。

実習先の例食事を出す相手見ておきたいポイント
学校給食センター学校の子どもたち大量の調理を時間どおりに進める段取り
事業所(社員食堂など)働いている人メニューの選び方や情報の見せ方
保育所乳幼児年齢に合わせた食事の形と量の工夫

行き先は学校ごとに決まり、ここに挙げた以外の施設になることもあります。自分の実習先が決まったら、どんな施設かを早めに調べておきましょう。

健康増進法の「特定給食施設」を知っておく

継続的に1回100食以上か1日250食以上の食事を出す施設は、健康増進法で「特定給食施設」とされています。こうした施設には、栄養管理のきまりがあります。

健康増進法施行規則で示されている栄養管理の内容を、実習で見るポイントに置きかえると次のとおりです。

実習先で目を向けたいところ
  • 利用する人の体の状況や栄養の状態をどう把握しているか
  • 献立が、食べる量や好みに配慮して作られているか
  • 献立表の掲示や、栄養成分の表示がどうなっているか
  • どんな帳簿をつけて、どこに置いているか
  • 衛生管理をどんな手順で進めているか

『どこを見ればいいのか分からない』という人は、このリストを実習ノートの最初のページに書いておくと便利ですよ。

委託か直営かで、現場の人の立場が違う

給食の運営には、施設が自分で行う形と、調理などを給食の会社に任せる委託の形があります。委託の場合は、委託先の会社に雇われた栄養士や管理栄養士が現場に置かれます。

厚生労働省の通知では、給食を委託していても、栄養管理の責任は施設の側にあるとされています。施設の栄養士が委託先の仕事を確かめ、必要な指示を出すという関係です。

『現場で教えてくれた人が、施設の職員なのか会社の人なのか分からない』ということもありますよね。初日に「どなたに質問すればよいですか」と聞いておくと、その後の動き方が分かりやすくなります。

形現場で働く栄養士の雇い主実習で見ておきたいこと
施設が自分で運営施設献立から調理までを施設の中でどう回しているか
調理などを委託給食の会社施設の栄養士と会社の栄養士がどう役割を分けているか

委託と直営の違いは栄養士の委託と直営の違いで、給食の仕事の全体像は給食の栄養士の仕事で紹介しています。

実習前・実習中・実習後にやることのチェックリスト

時期を3つに分けて準備する

実習の準備は、「行く前」「行っている間」「終わったあと」の3つに分けると抜けが出にくくなります。ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。

実習は行っている間だけが本番ではありません。事前の準備と、終わったあとの振り返りまでを一つの流れとして考えてみてください。

栄養士実習を実習前・実習中・実習後の3つの時期に分けてやることを並べた図解
実習前(2〜3週間前から)
  • 実習先の施設の種類と、誰に何食くらい出しているかを調べる
  • 学校で学んだ衛生管理と大量調理のノートを見直す
  • 服装・持ち物・集合時間を学校の案内で確かめる
  • 実習記録の書き方と提出のしかたを先生に聞いておく
  • 体調を整え、生活リズムを朝型にしておく
実習中(毎日)
  • 朝のあいさつと、その日の流れの確認をする
  • 分からないことはメモし、聞けるタイミングで質問する
  • その日に見たこと・やったことを当日中に記録する
  • 衛生のきまりを守り、迷ったら手を止めて確認する
実習後(1〜2週間以内)
  • 実習記録を仕上げて、期限までに提出する
  • 実習先にお礼状を送る
  • 学んだことと、もっと知りたいことを書き出す
  • 就職先を考える時の材料としてまとめておく

実習前に見直しておきたいノート

『何を復習していけばいいの?』と迷ったら、現場で毎日使う内容から見直すのがおすすめです。

見直すノート実習で役立つ場面
衛生管理手洗いや食材の扱いのきまりを守る時
大量調理たくさんの量を時間どおりに作る流れを見る時
献立作成献立の課題や、現場の献立表を読む時
給食の運営発注や在庫、記録の流れを見る時

全部を読み直す時間がなければ、この4つの中から自分が自信のないものを1つ選ぶだけでも違います。

実習後のまとめは、就職活動でも役に立ちます。どの職場で何を見て、何を感じたかを書き残しておくと、面接で自分の言葉として話せるんです。

職場の種類と選び方は、栄養士・管理栄養士の就職先一覧で詳しく紹介しています。

服装・持ち物・あいさつの準備

迷ったら学校と実習先のきまりが優先

服装や持ち物は、学校と実習先によってきまりが違います。ここで挙げるのは考え方の目安なので、最後は学校の案内に合わせてください。

『初日はスーツで行くつもりだけど、バッグや靴はどうしよう』という悩みはよく聞きます。通勤の服装と、現場で着るものを分けて考えると決めやすいですよ。

場面考え方準備の例
行き帰り学校の指定があればそれに合わせる指定がなければ落ち着いた服装と歩きやすい靴
現場の中実習先の衛生のきまりに合わせる調理用の服、帽子、現場用の靴など
荷物着替えと記録用品で量が増える大きめで自立するバッグを1つにまとめる
記録すぐ書けるようにしておくポケットに入る小さなメモ帳と筆記具

着替えや現場用の靴まで入れると、荷物はかなり多くなります。スーツ用のかばんに入りきらない時は、サブのバッグを使ってよいかを学校に聞いてみてください。

よくある失敗

アクセサリーやネイル、香りの強いものをそのままにして行くケースです。調理の現場では衛生のきまりが厳しいので、前日のうちに外しておきましょう。

あいさつは短く、はっきり

初日のあいさつは、長く話すより、名前と学校名、よろしくお願いしますをはっきり伝えるほうが好印象です。

「本日からお世話になります。〇〇学校の〇〇です。よろしくお願いいたします」

これくらいの短さで十分です。現場の人は仕事をしながら聞いているので、短く伝わる言い方を選んでおきましょう。

栄養士ガイド

栄養士・管理栄養士の学校や講座を比べたい方へ

栄養士・管理栄養士をめざす道は、大学・短大・専門学校(養成施設)の選び方で大きく変わります。働きながら管理栄養士国家試験をめざす人には、試験対策の講座という選択肢もあります。気になる学校や講座の資料を取り寄せて、実習や国家試験の支え方、通いやすさを同じ物差しで見比べるのが近道です。比べ方のポイントをまとめました。

無料学校・講座の資料請求と比べ方を見る

栄養士の免許につながるのは、都道府県知事などが指定した養成施設です。指定の有無は学校の案内や公的機関の情報で確認できます。

実習記録と献立の課題をうまく進めるコツ

記録は「その日のうち」が基本

実習で一番時間を取られやすいのが、記録と課題です。その日のうちに書くと決めておくだけで、後半の負担がぐっと軽くなります。

『実習中は疲れて、帰ってから記録を書く気力がない』という方も多いはずです。現場ではメモだけを取り、帰りの電車でまとめる順番を決めておくと、机に向かう時間が短くなります。

栄養士実習で毎日の記録をつけるためのメモ帳とノートのイメージ写真
1日の記録の書き方の例
  1. 現場で、時間と作業と気づいたことを短くメモする
  2. 帰り道に、メモを見て一番学んだことを1つ決める
  3. 家で、その日の流れを時間順に書く
  4. 最後に、学んだことと翌日に確かめたいことを書く

献立の課題でOKがもらえない時

『献立を考える課題で、夕食だけどうしてもOKがもらえない』という悩みもよくあります。何度も直しているうちに、どこを直せばいいのか分からなくなってしまうんですよね。

そんな時は、直す前に「どこを変えればよいか」をもう一度だけ確かめてみてください。全部を作り直すより、指摘された点を1つずつ直すほうが早く進みます。

補足

献立の考え方は、実習先の施設が誰に食事を出しているかで変わります。学校で習った基本に、実習先の相手に合わせた工夫を足すイメージで考えてみましょう。

栄養士の実習でよくある相談

不安は準備と質問で小さくできる

ここでは、実習に行く前や実習中の人からよく出る相談を3つ取り上げます。

校外実習が怖くてたまらない

『実習先の名前を出したら、先生に厳しいところだと言われて怖くなった』という声があります。知らない場所で、知らない人と働くのですから、怖いと感じるのは当たり前です。

ただ、現場の人は実習生が初めてであることを分かっています。分からないことをそのままにせず、メモを取りながら質問する人は、それだけで前向きに受け止めてもらいやすいんです。

業務がなかなか覚えられない

『5日目なのに、まだ仕事の流れが覚えられない』という相談もあります。給食の現場は、作業が細かく分かれていて、同時にいくつもの仕事が進んでいます。

全部を覚えようとせず、まずは1日の大きな流れを時間順に書き出してみてください。そこに自分の担当した作業を書き足していくと、少しずつつながって見えてきます。

お礼状の宛先はどう書く?

『病院で実習をしたけれど、指導してくれたのは委託の会社の人だった。お礼状はどこに出せばいい?』という悩みもあります。給食を委託している施設では、施設の栄養士と委託先の会社の栄養士の両方が現場にいることがあるんです。

誰に宛てて書くかは、実習先との窓口になっている先生に確かめるのが確実です。お世話になった人がはっきりしていれば、その人の名前も添えておきましょう。

よくある質問

栄養士実習の校外実習は、どれくらい行いますか?

栄養士法施行規則では、「給食の運営」の校外実習を1単位以上行うこととされています。日数や時期は学校のカリキュラムによって違うので、学校の案内で確かめてみてください。

実習先はどんな施設ですか?

例として、学校給食センター、事業所、保育所などが挙げられています。実際の行き先は学校ごとに決まります。

実習で失敗したら単位がもらえませんか?

評価のしかたは学校ごとに違います。不安な時は、実習の評価で何が見られるのかを事前に先生に聞いておくと安心です。

実習の経験は就職に役立ちますか?

役立ちます。実際の職場の流れを見たことは、職場選びの材料にも、面接で話す自分の経験にもなります。

まとめ

この記事の要点
  • 栄養士実習の中心は「給食の運営」の校外実習で、1単位以上行う
  • 実習先の例は学校給食センター、事業所、保育所など
  • 特定給食施設の栄養管理のきまりを、見るポイントとして使える
  • 準備は実習前・実習中・実習後の3つに分けて進める
  • 記録はその日のうちに、課題は指摘を1つずつ直す
栄養士ガイド

栄養士ガイド 編集部

栄養士・管理栄養士の仕事内容、資格の取り方、管理栄養士国家試験、病院・保育園・学校・介護施設・行政など職場ごとの働き方を、公的機関の公開情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次